内容説明
欲望の発露する瞬間を考察し、友人と特異な「萌えポイント」について語り合う。伝説の名作漫画『愛と誠』再読でその不可解な魅力を再検証。世界の名作『嵐が丘』を読み乙女のテイストを堪能し、女同士でバクチクライブ旅。独自の見所発見の映画評、旅先の古書店の謎を探索。物語の萌芽にも似て脳内妄想はふくらむばかり―小説とはひと味違う濃厚テイストのエッセイをご賞味あれ。
目次
1章 我が愛のバイブル(欲望の発露する瞬間;我が愛のバイブル ほか)
2章 夢のような話(ムネオ号で行く九州の旅;夢のような話 ほか)
3章 男ばかりの旅の仲間(なにを見ても男の友情(?)に読みかえる
男ばかりの旅の仲間 ほか)
4章 楽園に行く下準備(仏滅の結婚式;楽園に行く下準備 ほか)
5章 世界の崩壊と再生(膿めよ、腐えよ、血に満ちよ!;欲望にまみれたゆく年くる年 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
射手座の天使あきちゃん
267
男が「乙女」に抱く憧れや幻想を木っ端微塵に粉砕して止まない「しをん流」奔放エッセイです 読了後に「おぉ、しをん、しをん、どうしてあなたはオヤジなの?」とバルコニーでつぶやいた→おまえはジュリエットか!?とノリつっこみ <(^_^; それにしてもグンゼのパンツはだめでしょう、しをんさん(笑)2013/10/19
SJW
228
しをんさん、お得意の爆笑エッセイ。今回はしをんさんが好きなコミック、映画、ドラマ 、俳優への愛情表現が溢れている。知っているコミックや映画は笑えるが、知らないと笑いの度合いは下がるかな。とはいえたくさんのツッコミに笑ってしまい、電車の中で(多分)気色悪く笑ってしまった。特に印象的だったのはサイボーグ009最終回のくだりは思い出してしまい感涙した。(古くてすみません)もう一つ面白かったのは、母親が結婚相談所から営業の電話があり、母親が電話したらというところで、しをんさんが、検索条件に「胸毛の密集度」(続く)2018/08/29
hiro
212
やはりしをんさんのエッセイは面白い。今回のエッセイでは自分で書いたものを朗読して文書のリズムを確かめるとか、細かい校正作業はにがてとか、珍しく作家としての仕事の様子が垣間見える。また『星間・・』にも出てきた冬コミで自作品のパロディー同人誌を発見して、パロディーをバンバンやっちゃってくださいと太っ腹なところを見せる。一方、しをんさんの映画の好みは、バイオレンスとアクションと男の友情があるものということなので、しをんさんに是非ともハードボイルド小説(BL小説でなく)を書いてもらい、その映画化作品を観てみたい。2012/01/08
毛利武良
159
☆☆☆☆ 男が電車の中でこの表紙を抱えてるのってどうよ。しかも一人でニタニタしてるのって。時々吹き出してるし。ふと目を上げると向かいの席に座ってる人に見られてたりしてかなり痛い。じわじわ来ますよ。要注意!2014/03/20
masa@レビューお休み中
157
エッセイなのに日記を見ているような気にさせられる。しかも、しをんさんの日常生活を一部始終見せられているような気がしていしまうから恐ろしい。まるで、家政婦のミタのような感じですよ。連綿と続く、しをんさんの面白可笑しい日常とハプニング、そして怠惰な生活をハラハラドキドキしながら覗く楽しさがあるんですよね。あるときは、ベトナム料理を食べながら、友人と萌えポイントについて妄想話に花を咲かせたり、またあるときは映画を観に行った先で、おじさんに陶器市に来たと間違われたり…。やはり、家政婦のミタ感が半端ないなぁ。(笑)2013/09/17