内容説明
私は、なにをしているんだろう。どうしたら「私」でいられるんだろう?カトリック系女子高校に通う、三人の少女、那由多、淑子、翠。性格の異なる三人の「私」は、家族、学校、男たちの中にあって、それぞれが遠いはるかを、しずかに深くみつめている。「秘めごと」をかかえる彼女たちの微笑の裏側の自由。甘やかな痛みの底に眠る潔くも強靱な魂。自分を生き抜いていくために「私」が求めていたことは―。記念碑的青春小説。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
284
なんて淫靡なタイトル!これほんとに「しをん」さん?って疑問符いっぱいで読了。結果、まさにに「しをん」さんでした。この作品の受け止め方って、読者それぞれが過ごした高校生活によってイロイロだと思うんですが、実は私も女子高育ち。身体じゅうを駆け巡る女性ホルモンをなだめながら、受験のプレッシャーや、オンナ友だちとの腹の探り合いに明け暮れ、そりゃあ他人に言えない秘密もできますって!教師に恋するのも普通なら、友人に嫉妬したりも普通。そんなこんなが、とっても繊細に描かれてます。男性には読ませたくないな、コレ(笑)2015/11/22
HIRO1970
243
⭐️⭐️⭐️図書館本。少し手を出すのを憚れる題名でした。男子校出身である私の高校時代はこれと対極であるかと思われがちですが、全くの自意識過剰であるところはソックリでしたし、異常に傷つきやすいのが多かったのも同じでした。やはり思春期は出来れば共学で過ごせた方が偏った思考の吹き溜まりにハマらずにより素直に育てて自然だと思います。本作品を読んで自分の男子校時代の余り楽しくない方の思い出をたくさん思い返せたのは意外な感覚で思いがけない収穫でもありました。2014/10/20
SJW
222
ひょっとしてドタバタの抱腹絶倒な話かと思いきや、カトリック系の女子高に通う三人の少女たちの友人、恋愛、社会との関わりなど、それぞれ異なる想いを模索して、自分の居場所を探すストーリー。女子高生の気持ちや考えにかなりの違和感があり、醒めた目で読み、現実とのギャップがありすぎると感じた。しをんさんの小説では異色の話ではないかな。2018/03/19
さてさて
216
一見平穏な女子校の日常を生きる3人の女子生徒の姿が描かれていくこの作品。そこには舞台を『カトリック』の中高一貫校としたからこそ醸し出される独特な雰囲気感に満たされた物語が描かれていました。『「ヨハネによる福音書」で、イエスは病で死んだラザロを生き返らせていた』と、唐突に記される聖書の記述が物語をある意味で先導するこの作品。三者三様の青春を生きる3人の少女たちの『性』との関わり合いを見るこの作品。冷酷に綴られる文体と、少女たちが見せる奔放さの不思議なギャップに新鮮な読書の時間を味わうことのできる作品でした。2026/01/10
夢追人009
209
バーネットの小説とも松田聖子の歌とも内容的に全く関係のない三浦しをんさんの初期青春小説ですが「舟を編む」とは完全に異質な世界の物語でしたね。遊び心を感じたのは、那由多と丈の姉弟の名が数量の単位である事、色を冠した名前、紺(幻)・翠・碧の兄姉弟でしたね。本書は相当に難解で特に哀しいのは、那由多・淑子・翠のヒロイン3人が自らの抱えた秘密と悩みを素直に打ち明ける勇気を最後まで持てない事、そして単純なハッピーエンドで安心させてはくれない事ですが、私は那由多が復帰した様に淑子も何時か必ず帰って来ると信じたいですね。2019/01/27




