新潮文庫<br> 〓(ほのお)

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新潮文庫
〓(ほのお)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 323p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101164533
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

?を囲んだ人達が、それぞれの身に起こったことを語り出す――。近隣諸国と武力衝突の危険性が高まるなか、人々が〝あること〟を始める「ピンク」。突然泣き出してしまう“謎の病”が大流行する「眼魚」。南米やアフリカなど各地から集まった力士が頂点をめざす「世界大角力共和国杯」。祈りや驚嘆、希望など様々な思いを込めて語られた九つの物語は、最後に大きく燃え上がる。谷崎潤一郎賞受賞作。

内容説明

謎の災いから生き残った者たちが、〓(ほのお)を囲んで自分の物語を語る―。近隣諸国と武力衝突の危険性が高まるなか、人々が奇妙な踊りに取り憑かれる「ピンク」。突然泣き出してしまう不思議な病が大流行する「眼魚」。移民を目指して世界中から集った力士たちの華やぎを描く「世界大角力共和国杯」。祈りや驚嘆、希望などの思いを込めて語られた九つの物語は、最後に大きく燃え上がる。谷崎潤一郎賞受賞。

著者等紹介

星野智幸[ホシノトモユキ]
1965(昭和40)年、アメリカ・ロサンゼルス生れ。早稲田大学第一文学部卒業後、2年半の新聞社勤めを経て、2年間メキシコへ留学。’97(平成9)年『最後の吐息』で文藝賞、2000年『目覚めよと人魚は歌う』で三島由紀夫賞、’03年『ファンタジスタ』で野間文芸新人賞、’11年『俺俺』で大江健三郎賞、’15年『夜は終わらない』で読売文学賞、’18年『〓』で谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

45
夢の中を彷徨うような短編集でした。様々な感情で紡がれた物語は最後に焔のように燃え上がる。それだけの熱量が秘められているのでしょうね。面白かったです。2024/07/13

おいしゃん

29
谷崎潤一郎賞作品。とにかく不思議な作品。キャンプファイアを囲みながら不気味な小噺を語り、一人ずついなくなる…というような内容。それぞれの語る内容も、人からカラスになったり、お金になったり…存分にカオスを楽しめた。2022/06/22

ちぇけら

16
あたりを見渡すと、象徴としての救済はいたるところで俺たちに手を伸ばされるのを待っている。冷を取るため自ら回転する人びと、ところ構わず泣いてしまう急性落涙症候群にかかりやがて眼になっていく人びと、カラスになったひと、地球になるために大地に溶け込んでいくひと。べつのなにかへとうつり身をとげること、それが生きていくことであり、俺たちは物語ることでそれが実現できる。ことばを発する。それが物語になっていく。俺はその物語に出てくるカラスであり焔であり地球だ。俺は俺でありあなただ。そう気づいて俺は、物語に救済される。2022/10/23

ヨノスケ

14
不思議な感覚の短編小説である。「きっと感じたことをストレートに表現しているんだな」と思った。であるから、読み進めると、どこへ連れて行かれるのか分からなくなってきて、置いて行かれそうで不安になってくる。この中では【人間バンク】が唯一ついていけた作品であった。あとは幻想の中を彷徨っているといった感覚。星野さん、私と同年代の作家さんとは思えないほど感覚に違いがあり、その深い想像力に驚かされた。2022/07/23

しょうゆ

6
夢の中の話のような、カフカのような、そんな短編集だった。ラーメン屋で出会った、別の分岐を選んだ自分との対話は面白かった。育ちまでは同じ自分同士でも、今、傾倒するイデオロギー次第で全く別の価値観を持つ自分になってしまいうる。その感覚はわかる。カラスは意味不明だったけど、おもしろかった。不思議な感覚の持ち主の作家さんだ。自分の理解がまだまだ追いつかない2024/04/14

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