新潮文庫<br> 小説世界のロビンソン

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新潮文庫
小説世界のロビンソン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 447p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784101158228
  • NDC分類 901.3
  • Cコード C0195

内容説明

いま、なぜ小説なのか―?映像・音楽などさまざまなメディアの進化をつぶさに観察してきた著者が、小説との出逢いから説き起こし、その壮大な世界への旅にあなたを誘う。「少年探偵団」から「瘋癲老人日記」にいたるまで、半世紀にもなんなんとする読書体験は広大無辺。幾多の名書・奇書を題材に、〈小説のおもしろさ〉を追い求めた足跡を熱く綴る自伝的読書案内。

目次

序章 船出
第1章 下町の子の〈正しい〉読書
第2章 岩窟と地底の冒険
第3章 集団疎開と「夏目漱石集」
第4章 「吾輩は猫である」と落語の世界
第5章 「吾輩は猫である」と自由な小説
第6章 「吾輩は猫である」と乾いたユーモア
第7章 「吾輩は猫である」とフラット・キャラクター
第8章 〈探偵小説〉から〈推理小説〉へ
第9章 推理小説との長い別れ
第10章 「落語鑑賞」と下町言葉
第11章 遅いめざめ―1950
第12章 太宰治―マイ・コメディアン
第13章 フィールディング―〈散文による喜劇的叙事詩〉
第14章 ピカレスク小説―または〈人生は冷酷な冗談〉
第15章 1952年のスリリングな読書
第16章 物語の極限―「ラブイユーズ」
第17章 小説が古びるときとは
第18章 ワンス・アポンナ・タイムマシン―または〈退屈な〉私見
第19章 〈視点〉の問題
第20章 ロック元年の小説世界
第21章 未知との遭遇=〈大衆文芸〉
第22章 「富士に立つ影」と〈茫々たる時〉
第23章 古い〈大衆文学〉の衰退と〈エンタテインメント〉の発生
第24章 エンタテインメントの〈正しい〉姿
第25章 30年ののち―または〈物語〉のゆくえ
第26章 早過ぎた傑作「火星人ゴーホーム」
第27章 K.ヴォネガットの場合―SFから主流へ
第28章 ブローティガンの場合―「愛のゆくえ」について
第29章 J.アーヴィングの場合―〈物語〉の力と読者の関係
第30章 27年前の「『純』文学は存在し得るか」を読みかえして
第31章 いわゆる〈純文学とエンタテインメント〉をめぐって
第32章 「瘋癲老人日記」の面白さ
第33章 作家の誠実さとはどういうものか
第34章 新聞小説の効用
終章 とりあえずの終り
附章 メイキング・オブ・「ぼくたちの好きな戦争」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいとや

3
バルザックのことを読み返す必要があり手にとったが、やはり全編読み返すことに。この本を読んで一番の幸せは、「富士に立つ影」を知ったこと。あれを読了したときの幸福感を越えるのは今もってない。まさに「登場人物とともに長い人生を生きたと実感できるような小説」だ。最近では「赤朽葉家」に少し感じたが。未だプルースト、谷崎を読んでいない。谷崎はそろそろ読んでいい歳になったかな。「吾輩は猫」も読み返したくなるが、本書を読むたびに、なぜか獅子文六が読みたくなる。とりあげられてないのに。幸福にひたらせてくれる小説だからかな。2013/08/26

ゆーいちろー

3
ここ数年、わたしは小説の評価の中心を物語性に求めてきた。わたしの中での「物語性」とは何かと言われても、まだはっきりと説明できない。いわば空気、感覚でしかない。本書を読んで、考えてはいたけれど言葉にできなかった色々なことが代弁されていることに安心した。勿論わたし程度の物語至上主義と作者のそれは、認識の深さにおいて大きく違うであろう。それでも、わたしは自分の読み方の方向性は間違ってはいないと言ってもらえたような気がするのである。あまりの面白さに一気読みをしてしまったが、またゆっくりと読み返したい。2010/11/01

kaz

2
本筋に全く関係ないが、晩年の江戸川乱歩と面識があった著者に、乱歩が「小林君」と呼び掛けるくだりが堪らなく可笑しい。本書及び「本の森の狩人」を読んだ結果から「瘋癲老人日記」「吾輩は猫である」「トリストラム・シャンディ」「従妹ベット」を読んでみようかと決定。2018/07/01

やいとや

2
この頃小林信彦57歳か。2018/05/08

ぽけっとももんが

2
ずいぶん昔に買ったものの、読んだのかどうかすら覚えていなかった。出てくる小説は殆ど読んだこともないし、おそらくは読まないだろうけれども、それでも読了できたのは、三十年以上前から氏の小説で育ったからだと思う。大学で大好きな先生の講義を聴くものの、何のことかさっぱり、でもそれだけでも満足、という感じ。2013/09/27

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