内容説明
いま、なぜ小説なのか―?映像・音楽などさまざまなメディアの進化をつぶさに観察してきた著者が、小説との出逢いから説き起こし、その壮大な世界への旅にあなたを誘う。「少年探偵団」から「瘋癲老人日記」にいたるまで、半世紀にもなんなんとする読書体験は広大無辺。幾多の名書・奇書を題材に、〈小説のおもしろさ〉を追い求めた足跡を熱く綴る自伝的読書案内。
目次
序章 船出
第1章 下町の子の〈正しい〉読書
第2章 岩窟と地底の冒険
第3章 集団疎開と「夏目漱石集」
第4章 「吾輩は猫である」と落語の世界
第5章 「吾輩は猫である」と自由な小説
第6章 「吾輩は猫である」と乾いたユーモア
第7章 「吾輩は猫である」とフラット・キャラクター
第8章 〈探偵小説〉から〈推理小説〉へ
第9章 推理小説との長い別れ
第10章 「落語鑑賞」と下町言葉
第11章 遅いめざめ―1950
第12章 太宰治―マイ・コメディアン
第13章 フィールディング―〈散文による喜劇的叙事詩〉
第14章 ピカレスク小説―または〈人生は冷酷な冗談〉
第15章 1952年のスリリングな読書
第16章 物語の極限―「ラブイユーズ」
第17章 小説が古びるときとは
第18章 ワンス・アポンナ・タイムマシン―または〈退屈な〉私見
第19章 〈視点〉の問題
第20章 ロック元年の小説世界
第21章 未知との遭遇=〈大衆文芸〉
第22章 「富士に立つ影」と〈茫々たる時〉
第23章 古い〈大衆文学〉の衰退と〈エンタテインメント〉の発生
第24章 エンタテインメントの〈正しい〉姿
第25章 30年ののち―または〈物語〉のゆくえ
第26章 早過ぎた傑作「火星人ゴーホーム」
第27章 K.ヴォネガットの場合―SFから主流へ
第28章 ブローティガンの場合―「愛のゆくえ」について
第29章 J.アーヴィングの場合―〈物語〉の力と読者の関係
第30章 27年前の「『純』文学は存在し得るか」を読みかえして
第31章 いわゆる〈純文学とエンタテインメント〉をめぐって
第32章 「瘋癲老人日記」の面白さ
第33章 作家の誠実さとはどういうものか
第34章 新聞小説の効用
終章 とりあえずの終り
附章 メイキング・オブ・「ぼくたちの好きな戦争」
感想・レビュー
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