内容説明
幼い秀頼と豊臣家の行方を案じつつ秀吉が亡くなると、徳川家康は朝鮮の役での文治派と武断派の対立を巧みに操りつつ豊臣家を分断していく。そして石田三成と結んだ上杉景勝を撃つべく家康が会津に兵を進めると、三成が兵を挙げ、ここに東西決戦の陣形が定まる。この重大局面にあたって真田父子は会津出陣の途上で一夜会談し、昌幸と幸村は徳川軍団を離れて上田城に帰り、信幸は留まる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
202
ようやく全編の折り返しまできた。いよいよ6巻なると時代や人物が濁流の如く流れゆくような気がしてくる。様々に読みどころはあるが一番印象に残るのは石田三成。器の無さが徐々に見えてきてしまうくだりは痛ましく、フェードアウトするかのようにこの巻が終わるので、なにか儚さのようなものを感じてしまった。2017/03/08
やま
161
【再々読】 血沸き肉躍る!!真田太平記㈥ 2011.03発行。大活字文庫。 上信州にまたがる真田家の領地を守るため、真田昌幸、長男・信幸、次男・幸村の活躍の物語です。 石田三成たちと加藤清正たちの確執を利用して、徳川家康は、豊臣家の家臣団を分裂させます。 会津では、上杉景勝が、領内の城、砦などの戦仕度を始めています。 家康がどう動くか、日の本中の大名たちが、緊張をもって見ています。 その中で、向井佐平次の息子で真田の草の者・佐助16才は、一人前の草の者として働くまでに成長してきました。🌿続く①➁→2020/11/05
とん大西
123
長い長い物語は書き手と読み手の体力勝負の側面もあります。折り返しの第6巻は関ヶ原前夜。真田家と伴走したり、歴史の上空から俯瞰したりで流石に読み疲れもありますが、これはこれでちょいと酩酊感も伴う長編の一つの趣かと思います。犬伏の密談そして別離。大河では緊迫感漂う名シーンですが、本作のように多くを語らず酒を酌み交わす昌幸、信幸、幸村のいぶし銀の佇まいもなんとも粋です。真田家のみならず政局に翻弄される大名小名。義憤、友情、野心、疑心暗鬼。天下分け目の関ヶ原-英傑も英傑未満も各々の憂いと大義を抱え迎えることに…。2021/05/22
あすなろ
120
真田信幸は自分の想像に戦慄している。自分の決意は微塵も揺るがぬが、その時父と弟はどの様に進退を決するのであろうか?と。池波・真田太平記もいよいよ6巻。天下分け目の関ヶ原迄あと一歩という進捗である。真田父子はどう判断をし、東・西軍の何に付くのか?。その結果への各々の思索をもう少し描いて欲しかったかな。そして徳川家康・豊臣秀吉に上杉景勝等。それらを多く描きながら池波節はこの時代の歴史絵巻を独自の筆にて描いて行く。面白い!。なお、石田三成の描写は容赦がない。2025/05/18
優希
106
関ヶ原の直前までが描かれます。秀頼と豊臣の行方を案じる秀吉の死後、家康の力が急に強まったように見えました。豊臣を分断することでその権力を誇示する家康。それは景勝を撃つための会津攻撃が発端だったのかもしれません。同時に、三成の動きが、真田の運命を決めたといえるでしょう。敵味方となる昌幸と信幸の決別があっさりとした感はありますが、非常さをあえて描かなかったことが戦国を生き抜く力になったのだと思います。再び戦乱へと歩み始める武将たち。いよいよ関ヶ原が幕を開けます。2016/11/05
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