出版社内容情報
危難に満ちた逃避行の末、奥州藤原氏の支配する平泉に身を落ちつけた義経だったが……。源平の栄枯盛衰を描く大河歴史小説、完結。
短くはあれ、義経は、思うざまに生きたぞ。頼朝の追捕の手を逃れ、姿を隠していた義経だったが、若き頃、その身を托していた奥州の藤原秀衡を頼り、平泉に向かうことを決意する。大仏殿勧進のための山伏姿に身をやつした主従は、安宅の関を弁慶の雄弁と機智で通過し、無事平泉にたどり着く。衣川に館を構え、つつましい生活をおくる義経だったが……。義経の逃避行とその最期を描く二十巻。大河歴史小説完結。
内容説明
頼朝の追捕の手を逃れ、姿を隠していた義経は、若き頃、その身を寄せた奥州の藤原秀衡を頼り、平泉に向かうことを決意する。大仏殿勧進のための山伏に姿を変えた義経主従は、最大の難所である安宅の関を弁慶の雄弁と機智で通過し、無事平泉にたどり着く。衣川に館を構え、つつましい生活をおくる義経だったが…。義経の最期、盛者必衰の理を描く第二十巻。大河歴史小説完結。
著者等紹介
吉川英治[ヨシカワエイジ]
1892‐1962。神奈川県生まれ。船具工、記者などさまざまな職業を経て作家活動に入る。国民文学作家と親しまれ、1960(昭和35)年文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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姉勤
33
鎌倉の支配に対し、号令すれば一勢力を集めたであろう義経は、その武人の器を悟ったが故に、奥州をめざす。歌舞伎の勧進帳で知られた安宅の関を脱け、安住の地、平泉へ。しかし追討の令はかの地にも及び、奥州で兵を起こすことも拒む中、屋敷に火を放ち、炎に滅す。栄華の変遷、自らが滅ぼした平家の人々と、討った自身の境遇。戦いの輪廻との決別。後白河院が、文覚が世を去り、最高権力を手にした頼朝もまた、病を得て逝く。戦いと平和の円環。物語を生き抜いた麻鳥と蓬。苦労のし通しだった二人。老いて、礼と詫びをいえる人が傍にいる。2019/01/08
ソングライン
13
義経の最後を描く最終巻です。頼朝からの許しを諦め、理不尽な鎌倉への怒りを封じ、平泉を目指す義経一行。武人として修羅の道を生きることの虚しさを痛感し、既に恨みの連鎖を断ち切った義経は、衣川での泰衡の裏切りにも、うろたえることなく、自らの命を絶ちます。保元の乱から始まる戦乱を招いた人間の欲望の醜さと儚さを描いた新・平家物語は最後、この平安末の乱世を善の心で生き抜いた麻鳥夫婦のたどり着いた小さな幸せの実感を描き、穏やかに終わります。2020/02/29
スー
12
ようやく読み終わりました。頼朝も亡く源氏は衰退して北条にとって変わられ、憎き梶原景時も殺された。世の中の争いは無くなり人々は平和を謳歌する。全てを見届けた麻鳥夫婦の息子が戻り、真面目に働くようになり、娘の円も嫁ぎ元気な孫も産まれ、二人は過去を振り返り今は亡き人々を想い自分達夫婦の幸運に感謝している。吉川英治が願った平和の姿なのだろう。2016/12/30
ムカルナス
10
完結。あとがきによると題は平家物語だが、保元・平治物語、源平盛衰記、義経記など全ての物語を踏まえているそうで、物語は義経の死後、範頼や梶原景時も失脚し、頼朝も急死、やがて北条政権となるまでを描いている。義経は戦乱のない平和な世にするために平泉では敢えて戦わずに自害、自らの命と引き換えに真の幸福を教えてくれた人物としている。しかし、本書が執筆された昭和25年当時の「もう戦争は懲り懲り」という空気には合っていたのだろうが、現代の日本で座して死を待ち滅ぶ話に単純に素晴らしいと感動するのは難しい。2019/09/10
gushwell
7
長い長い物語でしたが、とうとう読み終わりました。義経とその家臣の気持ちを思うと何とも言えない悲しさと憤りがこみ上げてきます。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす。奢れる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし」まさにこの通りの物語でした。最後の麻鳥と麻丸のシーンに涙・涙でした。 2016/11/12




