出版社内容情報
平清盛、源頼朝、義経、静御前。源平盛衰のドラマを雄渾な筆致で描く、全国民必読の大河小説。大きな文字で読みやすい全二十巻。
ただ眼前の強烈な一欲に燃えていた。待っていた“時”である。時は平安時代末、己の利益のみを考え、民衆の心を省みない公卿政治の退廃は、新勢力である武士の台頭を招いた。優れた武者であり、政治家でもある平清盛は大志を胸に秘め、武門の頂点への道を登りつめていく……。清盛、源頼朝、義経、弁慶、静御前、後白河法皇。英雄、名将、豪傑、美女が入り乱れる全国民必読の大河小説、いよいよ開巻。閉塞した社会の中で、異例の出世を遂げる清盛を描く第一巻。
内容説明
時は平安時代末、己の利益のみを考え、民衆の心を省みない公卿政治の退廃は、新しい勢力である武士の台頭を招いた。優れた武者であり、政治家でもある平清盛は大志を胸に秘め、武門の頂点へと登りつめていく…。清盛、源頼朝、義経、弁慶、静御前、後白河法皇。英雄、名将、豪傑、美女が入り乱れる全国民必読の大河小説、いよいよ開巻。閉塞した社会の中で、異例の出世を遂げる清盛を描く第一巻。
著者等紹介
吉川英治［ヨシカワエイジ］
１８９２‐１９６２。神奈川県生まれ。船具工、記者などさまざまな職業を経て作家活動に入る。国民文学作家と親しまれ、１９６０（昭和３５）年文化勲章受章。『三国志』『宮本武蔵』『新・平家物語』『私本太平記』など、その著作は２００を超える（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ニッポンの社長ケツそっくりおじさん・寺
59
先日、吉川英治『宮本武蔵』を堪能した勢いで、こちらにも手を出してみた。どうしよう、20巻もあるのに。こちら広島県では「もみじまんじゅう」と並ぶ銘菓『新・平家物語』がある(美味しいです)。なので幼い頃からの旧知のような気がしてならない小説ではある。立川談志が『源平盛衰記』で、吉川英治のこれをかつて読んで「結構なものです」と褒め、一節を呟いていたのを思い出す。筒井康隆も『乱調人間大図鑑』の権力欲の章で本書を読むのを薦めていたのも記憶している。とりあえず１巻を読んだが、やっぱり面白い。吉川英治の文章の魔力よ。2022/01/06
姉勤
30
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響き在り。リスペクトに添えて物語の開始を告げる。武士という階級が、平家でなくても人にあらずな地下人にまとめられ、歴史の主役なり得なかった平安末期。地下人といえど、苟も皇室の血を引く平氏宗家の棟梁の嫡男、平清盛の人生は、貴人の落とし胤というコンプレックスと、能力と武力が備わる我らと、対照的な貴族、皇室へのルサンチマンから。父、忠盛に武士たるものの薫陶を受け、父となれば一族を総領する心配りに差配する。歴代上皇の放埓な情事と藤原摂関家の権謀に、上下の則は乱れ、保元の乱の火種となる。2018/07/14
hrmt
29
とうとう手をつけてしまった大作。いつか読みたいと思っていたけれど古典はよくわからないので吉川作品の「新･平家物語」を。第一巻は清盛二十歳の頃から保元の乱直前まで。まだその野望と理想も若々しい。数年前に見た大河ドラマは登場人物の関係性に理解が追いつかず消化不良でしたが、それが解消されてさすがに面白い！院政の昏迷、武士の台頭、山門の示威。栄華を極め絶頂に昇り詰つめながら誰もがそこにとどまれない。盛者必衰にあらわれる滅びの美学。数年かけてコツコツ集めた全二十巻。先はまだまだ長いけど興味が湧いている今が読みどき！2022/05/17
仁家の作
20
今まで歴史小説をいくつか読んで時代背景の認識が重要だと感じました。そこで古い時代のものから体系だてて読むことにしたので、その第一段としてこの大作に挑戦です。まずは第一巻を読了です。残り１９巻、年内に読了は難しいだろうなぁ。2015/12/08
ソングライン
12
自分の本当の父は誰かと悩む青年、平清盛を描くことから物語は始まります。朝廷内での鳥羽上皇と崇徳天皇の確執がやがて、争いに発展し、それに伴い武家の地位も高まっていく時代です。新天皇に味方するのか、崇徳上皇につくのか悩む源氏の棟梁為義の姿があわれです。吉川平家物語の長い旅始めます。2019/07/09
