内容説明
「27歳定年制」で吉原遊女はぴちぴちギャルばかり。「アンダーヘアを線香」で整え、「生理中は詰紙」をして仕事をこなし、「爪剥ぎ」「指切り」をしてでもご贔屓をつなぎとめる。これぞ遊女の心意気。飄客たるものの粋な作法から、伝説の人気花魁の号泣秘話まで。江戸文化の中心地、300年間公認の遊廓として栄えた吉原のすべてがわかる薀蓄満載本。
目次
吉原へ「御案内」
江戸の華やぎ
吉原小史
遊びの作法教えます
女たちを彩る「もの」
名妓の誕生
廓の四季
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おMP夫人
15
吉原の全体像を扱ったものの中で、一番他人に勧めやすい本でした。価格も含めての入手しやすさ、内容ともに満足の1冊です。中でも特に良かったのが、随所に当時の吉原を詠んだ川柳・狂歌が豊富に散りばめられている点で、廓の内側、外側からの視点で遊廓の日常が悲喜こもごもが生き生きと切り取られていて、江戸の人々の「粋」や「意気」または「張り」を堪能できます。華やかな部分だけではなく、吉原の暗い部分もしっかり紹介されていますし、注釈や一口話と題されたコラムも充実しているので思っていた以上に読みごたえがありました。2013/01/17
槙
7
吉原の歴史、年季の制度、客から大金をむしり取る紋日のおそろしさなどなど、吉原遊郭のことをほぼ網羅。遊女は27歳まで生き残れればカタギに戻れるなんていうのはこの本を読むまで知らなかった。吉原門外に自由に出れないとか、売れっ子以外は病気になっても面倒みてもらえないとか、人権の欠片もない場所だが、流行を生みだし、教養のある女性を育て、江戸時代の代表的社交場であり続けた吉原は単なる極楽でも、おぞましい地獄でもない多面性があり、たしかに興味深い場所なのだ。歌舞伎や落語、時代小説のお供におすすめの本。2019/03/05
バーベナ
5
300年間栄えた遊郭:吉原。27歳の暮れが過ぎれば年季明け。でも、それまで生き延びることがで切ればの話。堕胎や病気のリスク、着物を新調せねばならない紋日(多い!)、かさむ借金。お客からも遊女からも、お金を巻き上げる合理的なシステムに唖然。凄い。郭言葉の『ありんす』は皆が使っていたわけではない。いろいろと勘違いしていたなぁ。2016/02/15
悠樹
3
吉原という場所に絞っての文庫本としたら、ずいぶん詳しい上に読みやすい。時代小説フンフン読んでて吉原に興味が出たらさくっと手を出してみてはいかがでしょう。2012/07/06
みーすけ
2
軽い読み物と思っていたら、文庫でこんなに詳しい吉原研究本が読めるとは。だけれども、解説、図など沢山掲載されているのでイメージしやすく読みやすい。2014/05/31
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- 和書
- 哲学者、怒りに炎上す。