感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
135
本能寺の変から天下取りまでの過程を描いていきます。信長の死の知らせが秀吉の天下取りの第一歩になったのかもしれません。光秀を討ち、秀吉はどんどんその力を広げていく。信長の後を狙う重臣たちをその出方によって臨機応変に対応する秀吉は、無駄な殺生をせずにその勢力を広げていったと言ってもいいでしょう。その手腕は天才的なものがあり、天下統一を成し遂げるのも納得がいきます。智略が為し得た天下統一。天下統一後から死までを描かず、辞世の句で締めくくるのが何とも言えない後味を感じさせました。2017/01/20
とん大西
125
何気に作中の一文です-「秀吉指揮下、彼ら(諸将)の正義と実利が、きわどいところで融合していた」…。信長死後、柴田勝家と跡目を争っていた秀吉。天下の行方はいかに。秀吉、勝家、彼らの将兵、そして旧織田軍諸将。疑心暗鬼と期待と不安。時代の分岐点に佇む人々の空気が端的な言葉で映し出されているようで感じ入りました。秀吉は天下人となった。偶然を必然にする精神力。時代の空気を観る心眼。もはや英雄というより特異な現象。人々は「熱狂」したのでしょうね、秀吉という「現象」に…。最終章タイトル「狂言」がグッと腑におちます。2019/02/17
ケイ
108
歴史に詳しくない私は数年前まで司馬遼を手に取ることすらなかったのだが、解説を読んで驚いた。「桶狭間では…」と見ると、なるほどそれは…、なんこと思わないような、よく知らない人に向け書かれたそうだ。なら、もっと早く読めばよかった。下巻は中国大返しから家康が大阪まで秀吉に会いにくるところまで。これを読んで、信長の家臣の中で、秀吉は飛び切り育ちが悪く、だから他の家臣がためらわれるような下品なことや武士にあるまじきことができ、また頭を下げること知っている唯一の大物だったので、天下をとれたのではないかと思った。2015/01/24
やっちゃん
105
全編通じて秀吉がカッコ良すぎる。成り上がる過程は下手なビジネス書よりよほど参考になる。晩年の狂ったところはもちろん。いくさ以外の部分、茶道や茶々様との絡みなどおちゃらけた描写がもっと欲しかったなあ。2023/01/10
mariya926
95
外国人向けということで、とても分かりやすく説明されていたので、楽しく読めました。何となくあるリーダーというイメージではなく、必要な時は大掛かりな演技で下でに出たり、打てるすべての手を打って、天下を統一していく野望がすごいと思いました。気前よく土地をあげたり、金貨を配ったり、普通の精神では難しいことができたので、天下を取ったのですね。しかしそこまでして天下を取って本当に本人や周りは幸せだったのかな?2025/09/08
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- 和書
- 時の流れに思いを馳せて