新潮文庫<br> いよよ華やぐ〈上〉

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新潮文庫
いよよ華やぐ〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 359p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101144320
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

俳人にして小料理屋の女将、藤木阿紗女91歳。きもの研究家・浅井ゆき84歳。スナックのママ・杉本珠子72歳。人生の激しい軌跡を刻み、齢を重ねた今だからこそ、見えてくるものがある。一途な恋、激しい愛、生そして死…。年々にわが悲しみは深くして いよよ華やぐ命なりけり―岡本かの子の歌そのままに、命がけの愛をつらぬき、齢を重ねて華やぐ女たちの人間模様を描く長編小説。

著者等紹介

瀬戸内寂聴[セトウチジャクチョウ]
1922(大正11)年、徳島生れ。東京女子大学卒。学生結婚7年目に離婚。’57(昭和32)年「女子大生・曲愛玲」で新潮社同人雑誌賞受賞。’61年『田村俊子』で田村俊子賞、’63年『夏の終り』で女流文学賞を受賞。’73年11月14日平泉中尊寺で得度。法名寂聴。’92(平成4)年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、’96年『白道』で芸術選奨を受賞。文化功労者
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カーミン

32
俳人で小料理屋の女将、阿紗91歳。きもの研究家、ゆき84歳。スナックのママ、珠子72歳。年老いてもなお仕事を持ち、自立している女性ばかり。老後や介護という言葉が無縁のような3人。一途な恋をして、見送って、そしてまた次の恋をして……。齢をとってもこうありたいと思う。先日99歳で亡くなった寂聴さんだけど、彼女たちに自分の生き方と理想を重ねたのかもしれない。続いて下巻へ。2021/12/03

しんすけ

19
なんと色っぽい小説なのだろう。そして主人公の阿紗は九十一歳になる乙女である。 医者から温泉行を進められると「やあだ。そんな年寄くさいこと」という。 これだけで阿紗が、華やいだ女であることに気づく。 阿紗には、ゆき、珠子という友人がいる。 ゆきは八十四歳、珠子は七十二歳。 三人が綾なす会話は老婆でなく、恋多き乙女そのものなのだ。 三人とも波乱の恋の体験者なのだが。 阿紗は波乱はそんなに多くなかったという。 「あたし誓って言いますけど、たった三人だけですからね」 2022/08/24

バーベナ

6
色々あれども、いまやっと悠々自適に生きられるようになった70、80、90代の仲良し御婦人の、眩暈がするぐらい、アクティブな現役っぷりを堪能。今だ働き、肉を食べ、休暇は温泉に。太く短くでなく、太く長く。2017/10/16

蛸墨雄

4
この作品1999年に発刊されているんだよね。作者自身が80歳位の頃の作品かぁと思うとなんだかおぞましい感じがするが、作者の夢を詰め込んだのか?御婆三人衆の妖艶な恋の歴史に興味津々で下巻に参ろう!!2017/11/05

くにえ

2
瀬戸内さんの著作でいちばん好きな本です。忘れるという能力は、恩寵であり劫罰でもある、という言葉にうなづけます。2016/09/02

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