名前をうばわれた少女―わたしはエファじゃない

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  • サイズ A5判/ページ数 209p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784577040249
  • NDC分類 K933
  • Cコード C8097

内容説明

ある日とつぜんナチスによってふるさとをうばわれ、家族をうばわれ、名前さえもうばわれた、11歳の少女ミラダ。はたして、彼女の運命は…?チェコの少女を通して、人間の残酷さと、前に向かって生きようとするすばらしさとを描く。小学校の先生が書いた、史実にもとづいたフィクション。

著者等紹介

ウルフ,ジョアン・M.[ウルフ,ジョアンM.][Wolf,Joan M.]
作家、小学校教師。アメリカ・ミネソタ州在住。本書執筆中、曾祖母の生まれたチェコへの旅の途中でリディツェをたずね、ナチスによる襲撃の生き残りの4人に話を聞く。著者初めての児童文学作品である『名前をうばわれた少女―わたしはエファじゃない』は、アメリカで数々の賞を受けるなど、高い評価を得ている

日当陽子[ヒナタヨウコ]
翻訳家、英会話教師。3児の母。子どもたちが読みたいという本をを紹介したくて翻訳家になる。翻訳作品に『耳の聞こえない子がわたります』(第54回青少年読書感想文全国コンクール課題図書、フレーベル館)など

朝倉めぐみ[アサクラメグミ]
イラストレーター。出版社勤務を経てロンドンに留学、帰国後イラストレーターに。雑誌挿絵、書籍装画、広告など、幅広い分野で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

更夜

13
1943年、主人公の少女、ミラダはユダヤ人でもないし、チェコスロバキアの農村の子。突然のナチの襲撃。そして金髪青い目のミラダは連れ去られ、ドイツ人=アーリア人としての教育、洗脳を受ける。子供の頃の言語に対する能力は11歳が一番高いと聞いた事があります。まさにミラダはドイツ人になるべく、ドイツ語教育を受けますが、だんだん、以前の自分が思い出せなくなるあたり、子供への教育は大切なんだなぁ、と思います。なぜ、村が襲撃されたのか、他国の子供をドイツ人に仕立てるのか、そんな戦争のもう一つの事実を知りました。2016/02/06

みー

12
自己を否定され、強制的に自分ではない別の者に変えさせられる・・子供達は、小さい故にそんな理不尽な環境に、疑問を持ちつつも順応していってしまう。。自分の名も、母国語を自分の意思とは関係なく忘れていく恐怖・・葛藤・・。そして、養子として出される。これが事実であると言う事。実の親も、養父母も・・そして多くの子供達が翻弄された悲劇の物語。他館より。2017/05/02

鳩羽

11
アーリア人としての基準を満たしていたため、家族と引き離され、収容所ではなくドイツ人となるための訓練センターに送られた少女の話。名前を奪われドイツ語をしゃべることを強制され、人が人にふるう暴力は身体的なものだけではないのだと思わされる。戦争の悲惨さを残したいと思う時、それが先祖の苦しみを子や孫に伝えたい、自国の苦しみを伝えたい、になってしまうと、戦争を起こしてはいけないというメッセージではなくなってしまう。ドイツ人がにそれほど悪感情を持たない読後は、事実をオブラートにくるんでいるのだとしても悪くないと思う。2013/08/18

スターライト

9
第二次世界大戦のチェコで起きた、ナチによる悲劇。ナチによって家族から引き離された少女ミラダは、名前をエファと変えられ、センターと呼ばれるところで他の少女たちとともにドイツの教育を受けさせられる。その後、ドイツ人の家庭に養女に迎えられ、しだいに自分の出自を忘れていく。家庭を奪い、名前を奪い、言葉を奪っていくのはナチス・ドイツだけに限らないが、この精神的な暴力ともいえる方法は、ときに身体的な暴力よりもひどい。こうした残虐な行為を忘れず、平和を次代に引き継ぐのは今を生きる世代の責任と言えるだろう。2017/08/03

慧の本箱

7
外見で究極の差別!それも国策として・・そんな現実がまかり通る世の中があったのです。2014/06/18

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