内容説明
欝病の夫の看病をしつづけて逝った老妻の姿を描き、著者の亡き姉への切々たる思いがあふれる「白萩」。息子の優しさを愛しつづける姑の淡々とした心情の「鞦韆」。愛の傷手を負って異国の地を旅する男と女の悲しみを、酷熱の砂漠の中に交錯させた「風のない日々」など―愛と死、別離と孤独の深淵を見つめ、悲しく笑いをさそう現実と、人間の哀歓を愛情こめて描く短編12編を収録。
欝病の夫の看病をしつづけて逝った老妻の姿を描き、著者の亡き姉への切々たる思いがあふれる「白萩」。息子の優しさを愛しつづける姑の淡々とした心情の「鞦韆」。愛の傷手を負って異国の地を旅する男と女の悲しみを、酷熱の砂漠の中に交錯させた「風のない日々」など―愛と死、別離と孤独の深淵を見つめ、悲しく笑いをさそう現実と、人間の哀歓を愛情こめて描く短編12編を収録。