新潮文庫<br> ながい坂 〈上巻〉 (改版)

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新潮文庫
ながい坂 〈上巻〉 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 550p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101134178
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

人生はながい坂。険しかった道を振り返り、思う。朝日新聞紹介で大反響。胸に迫る感動の物語。

徒士組という下級武士の子に生まれた小三郎は、八歳の時に偶然経験した屈辱的な事件に深く憤り、人間として目ざめる。学問と武芸にはげむことでその屈辱をはねかえそうとした小三郎は、成長して名を三浦主水正と改め、藩中でも異例の抜擢をうける。若き主君、飛騨守昌治が計画した大堰堤工事の責任者として、主水正は、さまざまな妨害にもめげず、工事の完成をめざす。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

405
山本周五郎の最後の長編小説。上下巻合計で1000ページを超える。これだけの長編であり、また初出は「週刊新潮」での連載であったらしいが、構想は最初からかなり堅固なものであったと思われる。それは、巳年と亥年の騒動が重要なキー・コードになっていることでも明らかだろう。封建社会に生きた武士たちを描きながら、例えば藤沢周平はその如何ともしがたい桎梏の中で生きる道を語るのだが、山本周五郎はより自由な方法を採った。本書の主人公の主水正の破格の抜擢がそうであるし、藩主の昌治の設定も危機と隣り合わせとはいえ自由である。2021/07/29

nakanaka

90
山本周五郎による最後の長編。徒士組の長男として生まれた阿部小三郎の成長と出世を描いた大作です。幼少期に経験した屈辱を糧に学問と剣術に精を出し見出されていくわけですが、奢ることも媚びることもない彼の真っすぐな生き方に惹かれます。上巻では治水工事を巡る話や妻との関係などが中心ですが、下巻でどんな展開が待っているのか楽しみで仕方ありません。2019/11/14

びす男

90
「人間はいつも、正しいだけでは生きられない」。肩肘をはって生きていく主人公の姿が痛々しい。低い身分からひたすら自らを鍛えあげ、藩政を牛耳る権力者たちを相手に立ち回る。上からは警戒され、下からは裏切り者と目され、友達はいない。読んでいて「頑張れ」と思いながら「そこまで頑張らなくてもいいのに」、とも感じる。ながい坂を脇目もふらずに登り続ける主水正。登りきったとき、いったいどんな景色が広がっているのだろう。それが豊かな、救いのある風景であることを期待しながら読み進める。2017/06/11

てつのすけ

54
下級武士から自らの能力で出世していく内容は、読んでいて楽しくてしかたがない。さっそく、下巻を読み始めよう。2020/09/09

kawa

53
今年のマイベスト・ワンを再読。にしても、すっかりスト-リ-を忘れていて順調に老人力が強化されていることに苦笑。主人公・三浦主水正は、「汚れた手で握っているものを取り返すのに、こちらの手が汚れるのを避けていてはだめだ」と大義のために、そして師・谷宗岳は過去の苦しみと老いの為に…変わる。成長と衰え、他者との関わり、あたかも「ながい(人生の)坂」を上るなかで「人は変わる」。本作の隠されたテーマだと自覚しながら下巻へ。2020/12/25

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