新潮文庫
助左衛門四代記 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 418p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101132037
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

巡礼の呪いなのか、代々の長男を不慮の事故で失いながらも、なお営々とその家名を守り、隆盛を極める紀州木ノ本の旧家垣内家。封建の世から近代に至る250年にわたる家系をたどり、代々の当主の個性と、その蔭で“家のしがらみ”となって生きぬく女たちとを、六代目にあたる垣内二郎の手記の形で描く。名作「紀ノ川」をさらに一歩進めた、雄大で風格のある歴史小説である。

著者等紹介

有吉佐和子[アリヨシサワコ]
1931‐1984。和歌山生れ。東京女子大短大卒。1956(昭和31)年「地唄」が芥川賞候補となり文壇に登場。理知的な視点と旺盛な好奇心で多彩な小説世界を開花させた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ラスカル

18
紀州木ノ本の旧家垣内家の当主助左衛門の四代記。封建の世から明治、大正まで話は続く。歴代の助左衛門の四代記の陰でそれぞれのお家はん(女性)の物語でもあるのだが、当主絶対の時代、どんなに立派な嫁でも書き付けさえ残っていない。最初は古臭い話と思っていたが、そのうち話に引き込まれてしまった。2021/05/16

まある

14
垣内家当主である代々助左衛門の歴史。この作品でも有吉さんの描く女性たちが素晴らしい。有吉作品の女たちは、言い訳や人のせいにしない、自分の人生に責任を持つひとたちが多く好ましい。四代の人生を描くのに410ページでは少ないのではと思ったが、決して粗く薄っぺらいものにならないところもさすがだと思う。劇的すぎず、かと言って何も起こらないわけでもない絶妙なドラマ性にまとめる技も有吉さんならではというところだ。まさに、あっぱれ有吉佐和子。2017/01/20

ブラックジャケット

13
著者の生まれ故郷の和歌山の歴史を垣内家の助左衛門の四代に凝縮した歴史小説。宝永の富士山爆発、続く大震災大津波の和歌山大変から幕が上がる。庄屋垣内家の新築の慶事に、巡礼者の犬が変死する。この凶事は七代祟る、という言葉が、暗い通奏低音となり、垣内家の250年の人々をドラマティックに描いた。登場人物はそれぞれ印象深く、著者の筆力の充実を感じる。やはり助左衛門の嫁たちは個性的で、ローカル、女性視点という、堅い正史とは異なる世界を構築した。柔らかい紀州ことばが絶妙な効果を生み、独特の有吉歴史文学の頂点に立った。 2020/04/25

fseigojp

13
有吉ファンの家内がギブアップしたので代読 拾いものだった 江戸時代の庄屋の仕事がよくわかった2019/07/23

ken_sakura

10
面白かった(^^)ここまで読んだ有吉佐和子の著書の中で好きな方。有吉佐和子の著書で初めてラストが平凡。最初のつかみも少し弱い。ただし、中身はとても面白い。桜庭一樹の「赤朽葉家の伝説」を思い出した。2015/03/29

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