内容説明
“もう生まれるわ。あなたの子よ”前世でおれと契ったと、女が一方的に言い、赤子を取りだす夢の中の奇妙きてれつな父親体験の「夢一夜」。四本の足と四本の手を持つ性的火星人と地球人との恋情の終焉を描く妖艶譚「火星人記録」。カエルに変身する「素晴らしいぼくのおじいさん」。この人、バカなのかしらといつも口にする「神童」など、奇想とユーモア満載のマンボウ流傑作軽小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
20
本を読んで笑うのは久しぶり。作者あとがきに、最近は体調がよくなくて原稿を頼まれてもなかなか書けないから、「習作時代の作を、もちろん文学的価値とは関係なく求めてくださる読者もいる」ため、ここで発表することにしたと記されています。北さんの本ならどんなものでも喜んで読む私は、まさしく上記のような読者と言えましょう。2014/08/30
c2c
2
隠れた名作。毒にも薬にもならないけど、ホッとするユーモア満載。ミステリー的要素や童話みたいな話もあります。2013/02/25
siopop
2
幾つかの短編を集めて一冊にした本、たくさんの作品が収められているのですが、 作者が後書きに書いているように、学生時代に書かれた作品が何本か収録されていました。 北杜夫さんの作風が定着する前の若い時代に書かれたものを読むのは中々に楽しかったです。 まんぼうシリーズに代表される、素敵な文体も好きなのですが、若い頃に書かれた文を読むのも素敵な経験でした、 一番最初の「似我蜂と少年」面白かったです。大学生時代の習作だと書かれていたのですが、そうか~ 学生の頃にもうこんな整った文章を書いていたんだ!と。 また北杜夫2011/10/02
R10
1
ひとつ話を読み終わるたびに、「ぷはーっ」と大きく息継ぎをしたくなる話ばかりである。面白いという意味で。2016/05/15
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