内容説明
明治41年、第1回ブラジル移民791名を乗せ笠戸丸がサントスに入港した。夢と希望に満ちた彼らを待ち受けていたのは、苛酷な自然と厳しい労働だった―。大農場で農奴にひとしい生活を送る井原・山口家の人々。色々な職業を転々とする香山六郎。農場主に支配されない日本人入植地を夢みる平野運平。紺碧の空の下、苦闘する初期移民の姿を描いた構想十余年の大作第1部。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
湖都
12
初期の南米移民たちの物語。本書は多くの人々の移民生活を語り、彼らの人生が交差したりどこかで別れたりするのだが、その様子は何か大きなうねりを見ているようだ。一人一人の人生は広大なブラジルの大地の上では小さくて消えてしまいそうなのに、不思議である。この巻で特に印象的だったのは、大口を叩くが小心者のリーダー格の山口、小さな妹を預けて一人働きに出る四郎、どこに行っても真面目に働き日本人の名を上げた中尾、再婚した不器用な夫・香山を助ける姉さん女房の谷子…。小説というより歴史書もしくはルポタージュを読んでいるようだ。2019/03/14
双海(ふたみ)
9
明治41年、第1回ブラジル移民。紺碧の空の下、苦闘する初期移民の姿を活写している。構想10余年の大作の第一部。2014/10/09
Taito Alkara
7
なぜ日系の南米人がいて、初期の移民がどんなサバイバルを繰り広げてきたかがわかる。時代のエネルギーを感じる。2017/03/29
うめけろ
2
20年ぶりくらいの再読。交通も通信も現代とは比べ物にならないくらい不便な明治の時代にブラジルへ渡って農園を開拓するなんて、本当に想像を絶する世界。ブラジルって遠い割には日本と親交が深い国ですが、100年以上前に彼の地に渡って苦労を重ねた人たちがいるからこそ、今もなおブラジルで生き続ける日系の人たちがいるんですね。本当に壮大な物語です。では、下巻へGO!2012/04/14
くる
0
正直これを読むまではブラジルへの移民の過酷さについてちっともしらなかった。家族を巻き込んだことへの罪悪感、後戻りができない追い詰められた状況、いつ死ぬかわからない環境、目の前には闇・闇・闇。 でも、生きていかなければならない。本に対して「がんばってくれ~」と叫んでしまいたくなる辛い現実に対する歯を食いしばって生きてゆく話を書いた大作。正直読破するまでに時間はかかったが、南米移民についてもっと知りたい、知っておくべきと感じる一冊。




