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新潮文庫
文士の友情―吉行淳之介の事など

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  • サイズ 文庫判/ページ数 321p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101130132
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

「第三の新人」の盟友が次々に逝く。島尾敏雄、吉行淳之介、遠藤周作。若き日の交流から慟哭の追悼まで、珠玉の随想類を収める。

「戦後派」の先輩や「第三の新人」と呼ばれた盟友たちが次々鬼籍に入っていく。梅崎春生のイタズラ宣言、楽天妄想癖の吉行淳之介とのおかしな発言、遠藤周作との受洗をめぐる信仰上の絆、島尾敏雄夫妻見舞いの忘れ得ぬ一コマ、そして小林秀雄との火花散る文学談義。珠玉のエッセイ、対談、鼎談を集めて、往時のユーモラスで、滋味あふれる文士たちとの交友を浮かび上がらせた一冊。

内容説明

「戦後派」の先輩や「第三の新人」と呼ばれた盟友たちが次々鬼籍に入っていく。梅崎春生のイタズラ宣言、楽天妄想癖の吉行淳之介のおかしな発言、遠藤周作との受洗をめぐる信仰上の絆、島尾敏雄夫妻を見舞った際の忘れ得ぬ一コマ、そして小林秀雄と火花散る文学談義。珠玉のエッセイ、対談、鼎談を集めて、往時のユーモラスで滋味あふれる文士たちとの交友を浮かび上がらせた一冊。

目次

吉行淳之介の事
青空を仰いで浮かぶ想い
豆と寒天の面白さ
好天の夏日―吉行の死
弔辞 遠藤周作
縁について
遠藤周作との交友半世紀
遠藤周作宛書簡
逆戻りの青春
「繰りかえし」の闇のなかで
声と言葉
天上大風
弔辞 矢枚一宏
「死の書」
夕方の景色
朽ち惜しさということ
回想ヤールタ海岸

著者等紹介

安岡章太郎[ヤスオカショウタロウ]
1920‐2013。高知市生れ。慶大在学中に入営、結核を患う。戦後、カリエスを病みながら小説を書き始め、1953(昭和28)年「陰気な愉しみ」「悪い仲間」で芥川賞受賞。弱者の視点から卑近な日常に潜む虚妄を描き、吉行淳之介らと共に「第三の新人」と目された。’59年「海辺の光景」で芸術選奨と野間文芸賞、’81年「流離譚」で日本文学大賞、’91(平成3)年「伯父の墓地」で川端康成賞を受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

49
復刊してくださってありがたい作品集。この「第三の新人」と呼ばれた世代の方々が戦時中と戦後、両方を考察できる最後の方なのだと思うと、言葉のひとつひとつが重い。2016/03/15

みや

3
一時代を共にし、先立っていった文士たちを語る晩年のエッセイ・対談集。梅崎春生、島尾敏雄、吉行淳之介、遠藤周作…。濃厚な交際があったからこそ、喪失感の大きさは計り知れないが、知性とユーモア溢れる冷静な筆致や発言は安岡氏ならでは。老境に入ってから洗礼を受けることで死を飼い馴らすことはできたのであろうか。図らずも、「老い」や「死の受容」ということを考えさせられる。2019/09/23

散歩中

3
吉行淳之介、遠藤周作、島尾敏雄などの友を見送り、「何度喧嘩して離れていても、作家の友情には生別はなく、死別しかない」と言う。晩年のユーモラスでなんとも言えない柔らかい作風。若い時の作品しか読んでいないが、吉行淳之介と一番親しかったのかな。2016/06/10

はるたろうQQ

2
同じ年代でも、否応なく体験した戦争との絡み合い方でかなり違ってくる。安岡の悪い仲間だった古山高麗雄は一兵卒として従軍し九死に一生を得たが、なかなか小説を書くことはなかった。一旦書き始めると戦争体験を執拗に書き続けた。島尾敏雄も結局夫婦共々戦争中の体験から離れることができずにいたような気がする。ただレトリックを駆使した華麗な戦争小説の大岡昇平とは違い、己の経験にあくまでも固執する。この点で、戦争に引っ張りまわされないが、病気で絶望的な環境にいた安岡、吉行、遠藤たちの自分の内面や経験に沈潜する点と同じである。2018/04/02

ナツメッグ☆

2
第一次戦後派、第二次戦後派に比べると病気がちで脆弱な印象の「第三の新人たち」だが、居直りに近い感じでかえって存在を強く主張することにつながっている。声高に主張することなく日常のこまごましたところから、人間存在の深淵に迫ろうという気概さえほの感じる。それに遠藤周作、安岡章太郎の「落第生っぽさ」身近に感じられる。吉行淳之介の村上春樹は竜胆寺雄、島田雅彦は吉行エイスケに似ているという指摘もうなずける。2016/02/25

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