内容説明
読書の楽しみを語り、現代の風俗を諷刺し、食味の真髄を探り、釣りの薀蓄を傾け、世界の美酒・珍酒を紹介し、人生の深奥を観照する。―鋭い洞察が溢れ、ユーモアとウィットに富み、自ずと人柄のにじみ出る絶妙な語り口は読者を魅了せずにはおかない。「男の収入の三分法」「面白い物語はまだまだある」「釣るのか釣られるのか」「酒の王さまたち」など珠玉64編。
目次
ロートレックがイナゴを食べた
モルモット食いとネズミ食い
ネズミの仔は野原のイワシである
面白い物語はまだまだある
泣くがいやさに笑い候
悪夢で甘く眠る
名は体をあらわすか
小さな話で世界は連帯する
十年ののち影もなく
連発式自動小銃とバナナ畑の昼寝〔ほか〕
著者等紹介
開高健[カイコウタケシ]
1930~1989.大阪市生れ。大阪市立大卒。1958(昭和33)年、「裸の王様」で芥川賞を受賞して以来、「日本三文オペラ」「流亡記」など、次々に話題作を発表。’60年代になってからは、しばしばヴェトナムの戦場に赴く。その経験は「輝ける闇」「夏の闇」などに色濃く影を落としている。’78年、「玉、砕ける」で川端康成賞、’81年、一連のルポルタージュ文学により菊池寛賞、’86年、自伝的長編「耳の物語」で日本文学大賞を受けるなど、受賞多数
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
91
著者のエッセイは久しぶりですが、やっぱり良いですね。改めてそう思いました。「白いページ」では「何かを得るには何かを捨てなければならない」が何回か出てきましたが、本書では「正直が最善の策」が2回ほど登場しました。本書をこのフレーズで眺めてみると、このフレーズが当てはまる箇所がチラホラあり、それに気付きながら読むのが楽しかったのでした。2017/05/13
猿吉君
62
全く古さを感じさせない内容の濃い~エッセイ、手元にずっと置いておきたくなりました。①お酒・釣り・男女の話、うんうんと頷いたりウイスキーが飲みたくなったりと共感できるうんちくがちりばめられています。②とにかく博識な開口先生にノックアウト、きっと想像をはるかに超える長大な量の読書をされたのでしょう。点数90/100→もしもネット社会な現代まで生きておられたらどんなエッセイを書かれたのかなあと思いをはせつつじっくり読ませていただきました。旅行やキャンプに持っていきたい本です。2022/06/24
ehirano1
58
「キ○○マ」=「協力ハスレドモ介入ハセズ」。下ネタなのに思わず呻ると同時に爆笑してしまいました。うまいなぁ。2017/06/15
jahmatsu
35
開高さんを満喫できるなかなかの量のエッセイ集。こんなご時世にダラダラ部屋読み向き。昼間っから無性に酒が飲みたくなり、本持ってどっか行きたくなるのをグッと堪えるのに苦労する。下ネタも天才的な言葉のセンス。2020/04/26
Shoji
31
開口健さんのエッセイ集。単行本が昭和51年に出版されたようです。書かれたエッセイの素材は昭和真っ盛りですが、今読んでも楽しめます。特に釣り、酒、風俗に関することは楽しく読むことが出来ました。強い酒が無性に飲みたくなる一冊でした。2023/06/19
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