感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
116
2018/2/28 Amazonより637円でDL購入。 2018/3/1〜3/7 「チンネの裁き」、「錆びたピッケル」、「新雪なだれ」、「消えたシュプール」の4編からなる短編集。山男に悪者はいない、という定説を覆した、ということで評価が高いようだが、今となってはそれほど目新しいものではない。が、エンタメとして山の描写など十分楽しめた。2018/03/07
A.T
22
山の遭難事故の事件性を嗅ぎつける山岳ミステリ中短編集。チンネとは…北アルプス剱岳のギザギザの山頂3番目の頂、約300メートルの岩の絶壁。「…岩棚を霧がかすめていた。霧の去来は絶間がなかった。濃淡のある霧で、ごく薄い時には、霧のベールを通してこれから登ろうとする長次郎頭に続く剣尾根の主稜が見えた…」ヒヤー、堪らない。限られた人間のみが近づける絶壁が密室のような効果をもたらす舞台設定…しかし新田次郎は登場人物の関係がベタで。山岳の迫力が減退してしまうのが惜しいなぁ。ミステリ作家としてのセンスが問われる。2024/02/29
さっと
12
山岳ミステリ集。表題作『チンネの裁き』は「女流登山家に美人なし」を覆すヒロインを登場させた『縦走路』と同時期に書かれた初期作品で、ここでは「登山家に悪人なし」の定説を覆し、偶然か故意か、剣岳を舞台にした連続遭難事件の幕が上がる。個人的に推したいのは「錆びたピッケル」。マッターホルンの遭難事故で仲間を失った山男がある疑念から素人探偵となって真相を探るが、意外な結末にブラック次郎の良さが出ている。ほかに富士山の雪崩事故を究明する「新雪なだれ」、志賀高原に消えた父の行方を追う「消えたシュプール」。2023/02/24
まさげ
4
山男には悪人はいない!との前提を覆した作品。舞台となる自然、山麓の村の風景が美しく描かれていました。2017/04/30
相田うえお
2
★★★☆☆シュプールに反応