新潮文庫<br> 志賀直哉〈下〉

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新潮文庫
志賀直哉〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 542p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101110165
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0191

内容説明

唯一の長篇「暗夜行路」にまつわる、些事ながら気にかかるあれこれ。芸術院会員になって器量を下げた話。フランス語を日本の国語に、との提言の真意は…。志賀家の人々や白樺派の仲間達、門下の誰彼など、直哉をめぐる人物群の活躍も多彩に、「小説の神様」とも称された稀世の文学者とその時代を、末弟子の深い思いで叙した「私の志賀直哉物語」。野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞。

目次

「暗夜行路」重箱帖
時任謙作年譜
登場人物控
重箱仕舞いの記
文士廃業
大東亜戦争
戦中縁辺
天皇制
国語問題
熱海隠棲
千客万来
古稀の旅
志賀家御馳走帖
徳不孤〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐久間なす

33
下巻は志賀直哉唯一の長編『暗夜行路』にまつわるあれこれから、彼の晩年までを丁寧に描いてありました。 志賀直哉は几帳面な作家という印象を上巻を読んだとき思ったので、『暗夜行路』が実は細部まできっちりと考えられては書かれていなかったと知って、驚きました。 「終焉の記」「葬送の記」で、志賀直哉の死と葬儀について描かれていましたが、これは涙なしでは読めませんでした。 そして彼は、たくさんの人に愛され、幸せな生涯だったのだなと感じました。2014/02/28

カブトムシ

20
大作『暗夜行路』は、1921年(大正10年)の1月号から8月号まで、「改造」に連載され、前編が終了した。冒頭にまず登場してくる友人は阪口である。「時任謙作の阪口に対する段々に積もって行った不快も阪口の今度の小説で到頭結論に達した」という書き出しは、モデルは里見弴と言われている。志賀直哉との絶交は、まだ、続いていた。志賀直哉は里見弴の『善心悪心』で、主人公の友人のモデルとされたので、大正5年に、二人は絶交していた。この本の著者の阿川弘之は、志賀日記の記述その他からして、阪口のモデルは、里見弴であろうという。

さっと

11
下巻は唯一の長編作品『暗夜行路』のモデルがどうの実際の時代順と合致しないエピソードがこうのと重箱の隅をつつくような「重箱帖」で始まり、これが全体の1/5ほどを占めるけれど、主として作者自身が末弟子として志賀邸に出入りし全集編纂の現場を担うなどの深い交わりを持つ戦後の身辺雑記が多く、作品論に連なる話はぐっと少なくなる(そもそも戦後に発表された作品自体が少ないとも言える)。とはいえ、微に入り細を穿つ内容は終始一貫しており、作者の取材力・構成力はすさまじい。師を見送る「終焉の記」「葬送の記」は万感胸に迫る。2022/07/03

giant_nobita

9
上下巻で1000頁超の作家評伝、しかも下巻では90頁に渡って『暗夜行路』の登場人物のモデルや作中時系列について詮索されているため、少なくとも『暗夜行路』を通読するくらいの読者でなければ手を出さないほうがいい。太宰治や宮沢賢治のような波乱万丈な人生が描かれているわけではないし、「作家は作品がすべて」と語る志賀の、作品をほとんど書かなくなった晩年を記述することにどれだけの意味があるのか疑問だが、あくまで読み物としては、広範な調査に裏打ちされた、志賀本人をはじめ関係者の言葉が多く引用された文章は読み応えがある。2020/05/10

kiiseegen

6
「暗夜行路」を読み挟んだ為、前半部を充分に理解し楽しむ事が出来た。相当な頁数だったが非常に良い作品だったと久しぶりの読了感に浸れた。志賀作品も良いが阿川作品も良い。2022/08/20

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