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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
195
感動、必読、不朽の名作‼️自転車通いの新任女教師と12人のキラキラした生徒との爽やかな成長物語。子供の頃読んだなぁ。やがて戦争へと染まってゆくその時代、小学2、3年生の子がその背に弟妹を背負って子守りしながら皆が協力し必死で生きていく。迂闊なことは言えず、不平や不満は腹の中に隠して戦争だけを見つめ、戦争だけを信じ、身も心も戦争の中へ投げ込めという教えの中、懸命に生きる姿はどこか明るい。母性の作家たる所以。歓迎会のくだりは涙無しには読めません。『兎の眼』『くちびるに歌を』と似た読後感です。是非読んで‼️🙇2018/11/04
ゴンゾウ@新潮部
140
小豆島を舞台に新米女教師と生徒達の交流を描いた不朽の名作。様々な家庭の事情を抱えそれを受け入れ大人になっていく生徒。優しい目で生徒達を見守る大石先生。交流を通して深い絆で結ばれていく。痛ましい戦争で大石先生も生徒達にも大きな試練が降りかかる。終戦を迎え20年ぶりに再会を果たす。失明を乗り越えようとする磯吉、彼を暖かく取り囲む先生と生徒達。 つくずく平和の大切さを痛感した。2015/07/19
七草
70
再読。昭和初期、瀬戸内海の村の小学校に赴任した若い大石久子先生と、岬の12人の教え子たちとの出会い、再会、別れ。次第に戦争が暗い影を落とす。大石先生にも、離職、結婚、出産、復帰と大きな変化が。かつての教え子の子どもたちも小学生に。戦争による犠牲や悲劇、貧困...。なきみそ先生にこちらも涙を誘われる。 70年前に書かれた作品だが、戦争による悲劇は今でも世界中でくり返されている。人間って...。人生の裏道を通った松江と先生から贈られた弁当箱には泣けた。感動した。2024/02/17
Willie the Wildcat
69
幸せ。人生に翻弄。自力、他力。精一杯生きる。ありのままの自分。受け入れ、受け入れられる。心に想う。一本松が、皆の心の拠り所。象徴と感じる。一方、言葉の難しさ。想いは、常に言葉で表現はできない。故の集合写真。再会の場(”小石”先生歓迎会)で、なぞる磯吉・・・。心に響く。その訳を問い、振り返るのが、著者の想いではないだろうか。色褪せない、お気に入りの一冊。2013/11/22
たか
64
何度も再読した忘れられない名作。しかし、子供のころに読んだ印象とは異なり、大人になってから読むと、反戦思想が強かったんだと気付く。 特に後半は、第二次世界大戦前後の国民生活の悲惨さを、家族や教え子を亡くしたことを通じて繊細な表現で伝え、涙を誘う場面が多い。感動の名作である。B評価2018/02/21