出版社内容情報
天地の創造、人類の創世など語りつがれてきた物語が奇抜な着想で生まれ変わる! 幻想的で奇妙な味わいの52編のワンダーランド。
内容説明
海の下の、奥の奥で眠っている神の夢。大地をうごめき、すべてを食い尽くす不快なブガン。アステカの怪しげな薬草に酔って義経がみる昔日の幻。満月の夜にとらえた人魚を食べてしまった男たちのゆくえ―。天地の創造、人類の誕生など語りつがれてきた物語が、いま奇抜な着想で生れかわる。あなたを空想の小宇宙へ誘う、幻想的で奇妙な味わいの52編のワンダーランド。
目次
はじまりの物語
もしかしての物語
お寺の昔話
夢20夜
ささやかれた物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
285
星新一さんが1988年、62歳の時に刊行された52編収録のショートショート短編集ですね。本書には神話や日本昔話風の作品が多く晩年のせいかオチが奇想天外なものでなく常識的で人をけむに巻くようなものが大半だと思いますね。改めて新鮮な作品はないですが久し振りに読むと、やっぱりいいものはいいなと大満足しましたね。『災厄』週末近い日に男はバッグを持って家を出て雑誌を買って電車に乗るとサングラスの若い男に出勤先の駅より3つ手前で降ろされ連れて来られた事務所には目つきの鋭い連中がいた。「雑誌、ネクタイの柄、連絡通りだ」2022/03/04
KAZOO
138
星さんのむかしのSF的なショートショートとはかなり異なっています。どちらかというと日本の伝説や民話を種にしたようなものを星流にアレンジして、という感じがします。読んでいてやはりお年を召されたような気がするのは私だけなのでしょうか?「夢20夜」なども何か中途半端な終わり方(それがいいという人もいるのでしょうが?)のような気がして、物足りない気がしました。2016/02/16
新地学@児童書病発動中
130
星新一晩年の作品で、やや筆力の衰えを感じるものある。それでも、印象に残る物語が多くて、ショートショートという枠組みを突き抜けてしまった凄みを感じた。特に冒頭の「はじまりの物語」が良くて、神話的な広がりを感じる。プロットとか登場人物とか普通の小説の要素を無視して、星さんが物語で無邪気に遊んでいる感じ。この本はショートショートの神様の白鳥の歌だったのかもしれない。2016/05/11
しゅわ
48
こっそり続けてる勝手に星さん再読祭り第51弾は、天地創造から日本の創世物語まで網羅した“はじまりの物語” そして源義経から豊臣秀頼まで登場する“もしかしての物語”などなど…いつものどんでん返しを封印し、ときどき何をいいたいのか?混乱しちゃう…幻想的で、ちょっとなんともいえない味わいの52編が揃った短編集です。2016/02/04
かいちゃん
38
安全のカードに続き、星新一さん2冊目。んー、安全のカードの方が面白かったなぁー。ちょっと僕には高尚すぎました。2020/05/25