内容説明
1945年8月9日午前0時、ソ連軍が旧満州国に進攻を開始。その時、日本人家族のほとんどは、父親を兵隊にとられ母親と老人・子供たちだけが残されていた―。本書は、5回の撮影取材による中国残留日本人孤児のポートレートと肉声、ならびに生きのびて帰国できた人の聞書きから成る。昭和史の証言として、極限状況に置かれた人間の記録として重い内容を持つ。’85年度土門拳賞受賞。
目次
炎の東安駅(小林すみさん)
殺戮の開拓村(紅谷寅夫さん)
地獄絵の哈爾浜(依田初美さん)
飢餓の逃避行(高野伊喜夫さん)
闇の中の奇襲(春原のぶ子さん)
青麻畑の惨劇(高橋篤さん)
生への彷徨(斉藤桂子さん)
34年目の再会(早川あささん)
肉親への鎖魂(清安悦郎さん)
一人ぼっちの祖国(Aさん)
関連年表