新潮文庫
戦争の話を聞かせてくれませんか

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  • サイズ 文庫判/ページ数 390p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101075228
  • NDC分類 916
  • Cコード C0121

内容説明

日本製潜水艦の劣悪な性能、学徒出陣の学生の特攻訓練、傷病者を安楽死させながら敗走した衛生兵、前線の死亡者を処理する「屍衛兵」、轟沈された慰安婦船、東京大空襲、すし詰めの引き揚げ船と帰郷列車…苛烈な体験を胸の奥深く秘めて生きてきた市井の人々が、その思い出を昨日のことのように語り出す。生々しく蘇る14の戦争の物語。

目次

イ号潜水艦
餞別をくれた中国人
削り取られた日本
夏目坂と焼夷弾
慰安婦船轟沈
さまよえる衛生兵
少年義勇軍の反乱
アイスクリームの味
観測兵 北満からパラオへ
特警隊長のダイアモンド
屍衛兵と複葉特攻機
海軍病院の日々
オワイ船で引っ越し
氷塊の島から

著者等紹介

佐賀純一[サガジュンイチ]
1941(昭和16)年茨城県生れ。慶応義塾大学医学部卒。国立栃木病院、ハワイ・クワキニ病院勤務を経て、現在土浦市で開業。’89(平成元)年、『絵と伝聞 土浦の里』で第一回日本私家本図書館賞。その英語版『Memories of Silk and Straw』はサントリー地域文化賞、国際出版文化賞、外国人記者クラブ最優秀図書賞を受賞、独語・仏語・ポーランド語版も出版され、欧米などで日本研究のテキストとして使われている
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かおりんご

39
いろんな人の戦争体験を集めたもの。従軍看護士だったり、戦闘機のパイロットだったり、一婦人だったり、潜水艦乗りだったり。どの人生もドラマティックで、生きることの重みを感じました。もっとおじいちゃんおばあちゃんの話を聞いておけばよかったです。2016/07/17

Mikarin

3
特別なエリートや英雄でもなく市井の庶民達の戦時下の体験記。公にする、しない別にしてあの時代を生きてきたことはものすごい体験だったと改めて感じる。2016/12/18

ひろ

3
読むべき本。遠藤周作の海と毒薬を読んで…オブライアンの本当の戦争のはなしをしようもまた、再読したい。平和を欲するならば戦争をよく知るように。今は戦前なのか、とも思うし。2015/05/31

納間田 圭

1
作者は昭和16年生まれで開業医を営んでおり、いままで診察に来る患者達の戦争経験者から、ひとりひとり生の声を丁寧に聞いてまとめた全14編。決して反戦を訴えるような単純な内容でなく、語り手の見てきた真実を作品にしたものだ。その年齢になって今まで誰にも話すことができなかった重く辛い記憶を語ってくれた…最後に「誰かに語らなければ死ぬに死ねない」と運命によって生かさせた者、生き抜くことができた者の使命として戦友達の悔しい思いを弔う迫力ある文脈。...語り手は、平成17年再発行時には...既に9名も亡くなられている2015/07/04

くらーく

1
市井の方の体験談は、だいたい合っていますね。空襲も20年には頻繁に起こり、身内や友人を亡くしている。南方に行った兵士は、飢餓とマラリアとの戦いで、アメリカとは戦うまでも無く。。。 本当になんて無謀な戦争だったのだろう。2年で止めておけば。捕虜は正当な権利だと教えておけば。民間人への無差別攻撃は違反だと強く主張すれば、などと考えさせられますな。2015/04/18

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