出版社内容情報
幻の書の新発見か、それとも偽書か。高校生のぼくは、うさんくさい男と〈謎の書〉の存在を追う。その名は、『皆のあらばしり』。探求は真と嘘の入れ子を孕み、歴史をさかのぼり、コンゲームの様相を呈しつつ、ついに世界の深奥にある〈ほんまもん〉に辿りつくが……。大逆転の結末に甘美な香気さえ漂う表題作のほか、「ニセ偽書事始」「『皆のあらばしり』の成立について」を収録した傑作。
【目次】
内容説明
幻の書の新発見か、それとも偽書か。高校生のぼくは、うさんくさい男と〈謎の書〉の存在を追う。その名は、『皆のあらばしり』。探求は真と嘘の入れ子を孕み、歴史をさかのぼり、コンゲームの様相を呈しつつ、ついに世界の深奥にある〈ほんまもん〉に辿りつくが…。大逆転の結末に甘美な香気さえ漂う表題作のほか、「ニセ偽書事始」「『皆のあらばしり』の成立について」を収録した傑作。
著者等紹介
乗代雄介[ノリシロユウスケ]
1986(昭和61)年、北海道生れ。法政大学社会学部メディア社会学科卒業。「十七八より」で群像新人文学賞受賞。『本物の読書家』で野間文芸新人賞受賞。『旅する練習』で三島由紀夫賞、坪田譲治文学賞を受賞。『それは誠』で織田作之助賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みのくま
5
栃木市皆川で小津久足の幻の紀行文『皆のあらばしり』を探す謎の男と高校生の浮田。だが調査が進むにつれ『皆のあらばしり』が偽書である可能性が浮上する。このニッチすぎる舞台設定は、巻末の作者によるエッセイがなければ本当の事だと信じたまま読了していただろう。作者はまさに偽書が偽書である事に気がつかれない事こそ偽書作者の本懐だと言う。ではなぜ巻末にネタバラシをするようなエッセイを挿入したのか。それはおそらく、フィクションが真実らしさを纏える事や、現実の地続きとして機能する事の感動を、読者に伝えたかった為ではないか。2025/09/16
かずぺん
4
会話が楽しいですね。2025/09/17
きたうら
1
文庫化したので再読。巻末のエッセイにある、著者が物語アレルギーの症状を抑えつつ本書を書いた顛末が面白かった。著者自身が「現代の皆川でこのように話が進んでもおかしくない」「私には噓の濃度がごく薄い物語である」と信じられるレベルに仕上げた小説が、「これを読んで「軽い」「エンタメ」とする感想も少なくなかった」というのが、おれ自身の感想と近くもあり、その先につづく著者の考察も含めて興味深い。2025/08/10
てとら
1
文庫になったので購入。やっぱり面白いなー胡散臭い大阪弁とかw偽書をテーマにおいて、なんで夢をかなえるゾウみたいになるのか…その振り幅がいい2025/08/02
zk
0
カシアス島田2025/09/21