出版社内容情報
求む、理系的発想力――。2013年の創設時からAIによる応募も可とする画期的な文学賞・日経「星新一賞」。その第1回から第11回までの一般部門グランプリ受賞作が1冊に! 二酸化炭素排出を抑える夢の技術の行方。宇宙エレベーターが実現した世界で、それでも自力で宇宙を目指す男の孤独な挑戦。クラスメイトの「実在」を疑う高校3年生。思いもよらぬアイデアと展開がきらめく11の奇跡。
内容説明
求む、理系的発想力―。2013年の創設時からAIによる応募も可とする画期的な文学賞・日経「星新一賞」。その第2回から第11回までの一般部門グランプリ受賞作が1冊に!二酸化炭素排出を抑える夢の技術の行方。宇宙エレベーターが実現した世界で、それでも自力で宇宙を目指す男の孤独な挑戦。クラスメイトの「実在」を疑う高校3年生。思いもよらぬアイデアと展開がきらめく11の奇跡。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小太郎
31
星新一賞なら面白いだろうと手に取りました。2013年から去年までの受賞作11篇。てっきり星新一ばりの気の利いたショートショートかなと思っていたら全然違って、科学論文風の短編からハード、抒情的なものまで多岐にわたった作品で(それも理系テイストが強い)、違った意味でとても楽しめました。そもそも星新一賞の応募要項は「理系的発想力を発揮して読む人の心を刺激する物語を10000字で」というものですから当然と言えば当然ですね。この中では「楕円軌道の精霊たち」「ローンチ・フリー」がお気に入り。★42025/03/24
ひさか
16
2025年3月新潮文庫刊。藤崎慎吾:「恐怖の谷」から「恍惚の峰」へ~その政策的応用、相川啓太:次の満月の夜には、佐藤実:ローンチ・フリー、之人冗悟:OV元年、八島游舷:Final Anchors、梅津高重:SING×レインボー、白川小六:森で、村上岳:繭子、関元聡:リンネウス、関元聡:楕円軌道の精霊たち、柚木理佐:冬の果実、の2014〜24年までの日経星新一賞受賞作品11編。濃密な世界観で圧倒される。日経星新一賞恐るべし。理系的な発想に基づいた短編小説がカテゴリーだとか。11編全てに圧倒される。2025/04/27
イツキ
10
面白かった。解説にもありますが星新一から連想するようなショートショートや寓話的なSFではなく、理系の作家が書いたハードSF的な印象の短編の多いアンソロジーでした。どれも30ページ弱で綺麗にまとまっていて読みやすくそれでいてAIや気候操作などの技術やそれに影響される人間の姿などが見事に描かれていて非常にレベルが高いと感じました。「次の満月の夜には」、「森で」、「リンネウス」が特に好みでした。2025/03/20
新天地
5
星新一の名を冠する文学賞だけにどの作品からも星新一への敬意を感じ、あの作品を念頭に描かれた物語だろう、この作品への敬意に溢れているといった深読みも楽しかった。また理系作家の文学賞と言う側面から、一話目「『恐怖の谷』から『恍惚の峰』へ~その政策的応用」は図や表も交えた横書き論文形式という従来の小説の型にない発想で描かれているのも面白かった。またこの話は、作中での論文執筆者が謎で、天然知能・先進人工知能・次世代天然知能を支配する存在がいるのではと思うちょっとしたディストピア感も魅力だった。コメント欄に続く。2025/03/31
kuragemaru
3
第1回受賞作を読み、シンギュラリティとは「恐怖の谷」と「恍惚の峰」の間を意味しているのだと感じた。(今は「恐怖の谷」に限りなく近いところまでAIが進化した状態か?)日経「星新一賞」受賞作品集である本書は、理系的発想力という縛りを10人の書き手が自分なりに解釈したバラエティに富んだ作品群だった。普段小説は読まず文学に苦手意識のある人は第1回から順に読み、SFに馴染みのない人は第11回から回を遡っていくと読みやすいと思う。2025/03/15
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