内容説明
「その本を見つけてくれなけりゃ、死ぬに死ねないよ」、病床のおばあちゃんに頼まれた一冊を求め奔走した少女の日を描く「さがしもの」。初めて売った古本と思わぬ再会を果たす「旅する本」。持ち主不明の詩集に挟まれた別れの言葉「手紙」など九つの本の物語。無限に広がる書物の宇宙で偶然出会ったことばの魔法はあなたの人生も動かし始める。
著者等紹介
角田光代[カクタミツヨ]
1967(昭和42)年神奈川生れ。魚座。早稲田大学第一文学部卒業。’90(平成2)年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。’96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、’05年『対岸の彼女』で直木賞、’06年「ロック母」で川端康成文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
778
読書好きならぜひ読んでほしい本!古本屋に他の本を売ってもこの本は売らないな(笑)本っていいよねえと改めて思いました(*^_^*)2015/09/27
馨
719
本にまつわる短編集。どの話も良かったですが、作者のエッセイが一番良かった(笑)。おばあちゃんのために本を探す話、読書好きだったカップルの別れてしまう話、捨てられない本…読書好きなら共感することが多いと思います。私が本格的に読書をするようになったのは社会人になってからで、遅咲きもいいとこなのですが、皆さん幼い頃から本好きで、作家さんは何百倍もの本を読んでいるのだなと桁外れな違いに改めて驚かされました。今後の人生で、この本に出会えて良かった、人生変わったと思える作品に出会うことが楽しみになりました。2018/12/08
HIRO1970
666
⭐️⭐️⭐️角田さんは初級レベルですが、何となく気になり今回が2冊目です。題名からは予想しませんでしたが、全て本にまつわるお話の短編集で9個も違う話が愉しめます。いろんな切り口がありますが、個人的にはいくつかある古書店がらみのお話が特に心に響きました。(⇨私は際限なく積読が増える誘惑に負けないように月に一度だけ古書店に行くマイルールにしています。)著者は若い頃バックパッカーだったようで旅関連の話の精度が高くこの辺りが旅本好きの私のアンテナにヒットしたようです。まだまだ沢山作品があるのでワクワクしています。2016/02/23
ehirano1
635
こ、こ、これは美しい、実に美しい!これ以外の言葉は寧ろ無用とすら思えました。読書好きには共感を得るシーンが盛り沢山で感情移入どころか物語の中に自分がヒロインとして居るような感覚に陥りました。2023/11/04
エドワード
521
本を古本屋へ持っていくのは辛い。本は捨てられない。本は他の商品とは違うのだ。そんなふうに思っているがんこものにはぴったりの短編集。あとがきエッセイがついているが、小説家角田さんにしてこのようなカルチャーショックを抱いたのか、とうならされる。時々読書メーターを見ながら「この世界にはこんなに多くの本があるのか」と茫然とすることがあるが、「本は人を呼ぶ」の言葉に心安らかになる。これからも好きな本だけ読んでいこう。2011/03/26