感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Rockwell
6
椎名麟三が文壇デビューしたのは昭和22年、つまり1947年なので終戦から僅か約2年。本書解説によると、まだ戦争の傷跡が十分残っている時期、まさに「重き流れの中に」あった。敗戦と復興の物憂く「重い」日常に、人々はただじっと「耐える」ことしかできないというのが主題だろう。現在の重みに耐えるしかないという一種の絶望は、現代を生きる我々の心のうちにもきっと潜んでいるに違いない。だから戦後派の文学でありながらも、これほど現代に訴えるものがあるのではないか。※『深夜の酒宴』『重き流れの中に』『深尾正治の手記』を収録。2011/07/14
Rockwell
3
twitter椎名麟三bot作りの為に徹夜で再読。意外と「僕は」「全く」「~こと」という言葉が多用されている点に気付く。内容もさることながら、文体も好き。2012/02/11
岡部淳太郎
1
戦後作家の代表格。いまはそういう時代ではないというのはわかるんだけど、なんかいいんだよなあ。好きな作家のひとりです。
名言紹介屋ぼんぷ
0
『自分には明日なんかない。 それにもかかわらず、明日を考えることは何と快いのだろう。 ことに明日の天気のことを考えるのはまったく素晴らしい』2021/09/05