出版社内容情報
ドクター・ヘリで搬送された救急患者を迎えた北条衛は、執刀医として腹腔鏡手術に挑む。研修医のゆめは初めての帝王切開に震え、海崎と明日香、ふたりの天才はオペ室で火花を散らす。そして師走、三枝教授が最も大切にする大忘年会の日が訪れた。だが、当日の病院では緊急事態が。伊豆半島の母子の命を守り続けてきた、医師、助産師、看護師たち。彼らが踏み出した新たな一歩を描く、第3弾。
【目次】
内容説明
ドクター・ヘリで搬送された救急患者を迎えた北条衛は、執刀医として腹腔鏡手術に挑む。研修医のゆめは初めての帝王切開に震え、海崎と明日香、ふたりの天才はオペ室で火花を散らす。そして師走、三枝教授が最も大切にする大忘年会の日が訪れた。だが、当日の病院では緊急事態が。伊豆半島の母子の命を守り続けてきた、医師、助産師、看護師たち。彼らが踏み出した新たな一歩を描く、第3弾。
著者等紹介
藤ノ木優[フジノキユウ]
産婦人科医・医学博士。2021(令和3)年、『まぎわのごはん』で作家としてデビューする。’23年、『あしたの名医 伊豆中周産期センター』で北上次郎オリジナル文庫大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
seacalf
32
シリーズ第三弾。この作品に出会えて本当に良かった。もっと爆発的に人気が出てもおかしくないくらい、とんでもなく面白い。専門用語がばんばん飛び交う手術シーンにせよ、料理関係にせよ、人物にせよ、本当に丁寧にひとつひとつ描写してくれるので信頼出来るし好感を持って読める。とりわけ手術シーンの描き方が見事で、緊迫した渦中の熱々展開にあっという間に引き込まれる。北条の昂ぶりにこちらも呼応して同じく昂ぶる。今回も見せ場たっぷりで大満足。続編が出そうなラストが嬉しい。この先が読めると思うだけでもう幸せだ。2025/08/18
coldsurgeon
10
あしたの名医シリーズ第3巻。若き産婦人科医・北条衛、助産師・小幡八重らが活躍する連作集。伊豆半島に位置する急性期病院で、高度周産期医療を担う医師、助産師、看護師などの医療職が、緊急性の高い周産期疾患に向き合う。いかなる名医も、技術を磨き、新しい技術・知識を学ぼうとする姿勢を維持しなければ、名医であり続けれないと、記しているようだ。2025/08/06
パタポン
6
第3作目も面白かった!2作目から続くドクターヘリで緊急搬入された患者さんの手術から始まった。ドキドキしちゃう!主人公北条衛が目指していた腹腔鏡手術ができるのだから… そんな3作目も他にも読み応えがあり、勿論、グルメもあり、老教授三枝の金言もある。どんな場合にも備えられるように、全ての状況を想定して臨め!そうしなければ、その瞬間瞬間で適切に判断をくだせない!って全くそうだよね!なんか意味深な終わり方だったから次も気になっちゃう…恋愛小説ではないから、あまり恋愛ばかりになるのもいやかな?次も楽しみ〜☺️2025/08/02
mawaji
5
早くもシリーズ3作目。日本における腹腔鏡手術の黎明期を見てきた者としては、開腹か腹腔鏡かは古くて新しいモンダイなのかもしれません。でも、ふたりの天才、明日香と海崎に語らせていたように、アプローチの違いやそれぞれの長所短所はあるかもしれませんが、術式に対する基本的理念は一緒なのでしょう。そのへんのところ、上手くまとめてもらいました。看護師と助産師の確執は、医師は殆ど無頓着かと思われました。ADHDっぽい海崎先生から投げかけられたボールを衛はどう受け止めるのか、そして沙耶との将来はどうなるのか、刮目して待て!2025/08/16
いときん
3
地方の中核病院の産婦人科を舞台にした『あしたの名医』シリーズ3作目。現役医師作家ということで現場の雰囲気の表現、臨場感が素晴らしい。加えて時折入るグルメの表現も秀逸でした。登場人物にも癖の強いキャラが揃っていて、あっという間に読み終えました。次回作を匂わす終わり方なので、今後にも期待してます!2025/08/13