出版社内容情報
「亘(わたる)君、君は真実を語るべきだ」農薬コーラ毒殺魔、局部切断女、そして恐怖の三十人殺し! 昭和史に残る極悪犯罪者たちが地獄の淵から甦(よみがえ)り、現代日本で殺戮の限りを尽くす。空前絶後の惨劇に立ち上がった伝説の名探偵は、推理の力でこの悪夢を止められるのか。「疑え――そして真実を見抜け」二度読み必至の鮮やかな伏線回収、緻密な論理(ロジック)による美しき多重解決。本格ミステリの神髄、ここにあり。
内容説明
「亘君、君は真実を語るべきだ」農薬コーラ毒殺魔、局部切断女、そして恐怖の三十人殺し!昭和史に残る極悪犯罪者たちが地獄の淵から甦り、現代日本で殺戮の限りを尽くす。空前絶後の惨劇に立ち上がった伝説の名探偵は、推理の力でこの悪夢を止められるのか。「疑え―そして真実を見抜け」二度読み必至の鮮やかな伏線回収、緻密な論理による美しき多重解決。本格ミステリの神髄、ここにあり。
著者等紹介
白井智之[シライトモユキ]
1990(平成2)年、千葉県印西市生れ。東北大学法学部卒業。横溝正史ミステリ大賞の最終候補作『人間の顔は食べづらい』で、2014年にデビュー。『東京結合人間』が日本推理作家協会賞候補、『おやすみ人面瘡』が本格ミステリ大賞候補となる。『名探偵のはらわた』の姉妹編『名探偵のいけにえ』で「2023本格ミステリ・ベスト10」の第1位を獲得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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麦ちゃんの下僕
161
タイトルは「探偵版『死霊のはらわた』」&「名探偵(?)の原田亘」&「名探偵の腸」のトリプルミーニング!? 昭和犯罪史に名を残す都井睦雄(→向井鴇雄)や阿部定(→八重定)が現代に甦る(!!)という特殊設定ミステリで、白井作品にしては“グロ”は控えめです(笑) 先に『名探偵のいけにえ』を読んでいますので、両者の“繋がり”が何だか切ないですね…。どちらの作品も、実際に起きた事件をモチーフに独自の“多重推理”が展開される訳ですが…なるほど!この作品が洗練され昇華したからこその傑作『いけにえ』なんですね…納得です!2023/03/13
Kanonlicht
85
日本犯罪史における猟奇殺人事件の犯人たちが地獄から現世に復活し、過去の犯行をセルフオマージュしたかのような犯罪を繰り返す。あまりに設定がぶっ飛び過ぎて、ミステリに見せかけたドタバタコメディかと疑うも、事件を推理する部分に関してはやけに論理的になるのがこの著者の特徴。その落差がくせになる。ただ、山盛りの伏線がそのまま放置されるので、いつか回収してくれることを願う。全然関係ないけど、読んでて「真・女神転生デビルサマナー」を思い出した。2023/03/26
HANA
84
「玉ノ池バラバラ事件」や「農薬コーラ事件」そして果ては「津ヶ山事件」等、どこかで聞いたような事件の名前。昭和の事件史に興味がある人には馴染み深いどころじゃないんだよなあ。本書はそれらの事件をキーワードにした連作短編である。過去のはずだったそれらの事件が再び起こり、対するは昭和の名探偵。という粗筋は好みの人には堪らないと思う。それに至るまでの設定が、一読した時は瞠目したけどその条件を上手くトリックに落とし込むのは上手いなあ。最後の大事件ではワトソンの活躍も相まって、なるほどこれは「名探偵のはらわた」だなあ。2023/05/29
キナコ
82
タイトルと表紙買いした一冊。特殊設定のホラーミステリー。とある儀式を通して、歴代の犯罪者達が現代に蘇る。そんな犯人達を追い詰めるのもまた、蘇った名探偵。犯人の容姿は随時変わるため、犯人の行動や動機、殺害方法で割り出していく。ミステリー事態は理論立てての話であること、ベースとなっている事件が昭和にあった実際の事件であることから一気にストーリーに入れた。まだまだ捕まってない犯人がいるから続くのかな?楽しみ!2024/11/26
mihya
79
「はらわた」って腑じゃないんか…。白井作品なので当然エログロ鬼畜だと思っていたら拍子抜け。とは言え、若干の特殊設定もあり、多重推理もありで面白かった。 実際に起きた昭和の事件をモチーフにしていて興味深い。 あの状況を経験したのに、みよ子は器がデカい。2023/06/17