出版社内容情報
民間人多数を乗せ、瀬戸内海で体験航海を行うあおぎりに、不時着機からの遭難信号が飛びこんできた。同時に急病人が発生。艦は幾つもの難題を抱えることに。社交的すぎる堀田司令。熱血過剰な晴山飛行長。悩める文学青年、坂上砲術士。個性豊かな上司と部下の力をひとつに合わせ、早乙女艦長は困難な状況を切り拓いてゆく。指揮官の決断。プロフェッショナルの凄み。手に汗握る海上サスペンス。
内容説明
民間人多数を乗せ、瀬戸内海で体験航海を行うあおぎりに、不時着機からの遭難信号が飛びこんできた。同時に急病人が発生。艦は幾つもの難題を抱えることに。社交的すぎる堀田司令。熱血過剰な晴山飛行長。悩める文学青年、坂上砲術士。個性豊かな上司と部下の力をひとつに合わせ、早乙女艦長は困難な状況を切り拓いてゆく。指揮官の決断。プロフェッショナルの凄み。手に汗握る海上サスペンス。
著者等紹介
時武里帆[トキタケリホ]
1971(昭和46)年、神奈川県生れ。’94(平成6)年、明治大学を卒業し、海上自衛隊幹部候補生学校に入校。任官後、女性自衛官として初めて遠洋練習航海に参加する。練習艦「みねぐも」に勤務後、退職。2014年、ゴールデン・エレファント賞大賞を受賞した『ウェーブ 小菅千春三尉の航海日誌』で、時武ぼたんとして、小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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absinthe
136
面白い。護衛艦内部の様子が楽しい。緊急事態が発生するが、早乙女艦長の決断でひとつずつ解決していく。人探し中心の前作と違って海の上が物語のメインとなって断然面白くなった。独特の緊迫感。厳しい上下関係、うっかり失言もできないような緊張感。このピリピリした環境で折れることなく働き続ける。女には風当たりの強い職場であるがとにかく頑張れと応援したくなる。2022/12/03
パトラッシュ
126
海軍の艦長を主人公とする小説では、乗り込んだ艦で全乗組員を掌握し、海戦での指揮能力を発揮する展開となる。海自護衛艦の女性艦長早乙女碧が主人公の本作は後半が期待できないため、平時での訓練や緊急事態への対処が物語の中心となる。航海中にトラブルが相次ぐ状況下で面倒な部下と上官を抱えながら「海の女」として成長していくドラマだ。上官の命令は絶対の軍隊だが、的確な命令が下せてこその上官も部下から厳しく見られており、一挙手一投足が信頼を勝ち得るかを決める。海自のリアルを味わいながら展開される成長小説として面白く読める。2022/09/03
uuuccyan
40
海上自衛隊護衛艦あおぎりの艦長五月女碧の物語。前半は訓練航海の紹介のようだが、自衛隊という一般人からは窺い知れない特殊な世界を垣間見たようで興味深い。そして民間人を多数乗せての体験航海で次々と起こるアクシデント。艦の最高責任者である碧はどのような決断を下すのか、ハラハラドキドキしながら読んだ。うまく行き過ぎ感もあるが気持ちの良い終わり方。これドラマにならないかなー。2022/07/29
よっしー
24
シリーズ2作目。やはりというか…女性が艦のトップに立つというのは男社会において難しい所もありますよね。ただ、女性ならではの視点を持ちながら行動に移していくことで出てきた変化を考えると…女性が上に立つ必要性はあるのだと感じました。色々な問題も起こる中で、出来る限りの最善を尽くす姿が本当に格好良かったです。続編とか、出たら良いな。2024/11/19
海燕
23
シリーズ2作目、前作より更に面白く読んだ。盛り上がりは後半。護衛艦あおぎりが一般市民を乗せた体験航海のさなか、近い海域から航空機の遭難信号を受信。乗客を乗せたまま救助に向かうが、今度は館内の乗客から重篤と思われる急病人が発生する‥という展開。女性艦長の主人公が色んな個性の士官とぶつかりながら、人命救助という同じ目的に向かっていく。この複雑な設定にも拘わらず、臨場感をもって破綻なく描きあげる筆力に感服。海上自衛官出身の筆者ならではだ。海保ヘリを着艦させるくだりなどは名場面。続編に期待する。2023/06/11