出版社内容情報
“奇跡”の限界集落で発見された首無し死体。愛国者にして救世主(パトリシア)を名乗る犯人は高らかに宣告する。「すべての地方都市を放棄せよ。人質は地方に暮らす8000万人の日本国民」。ドローンによる無差別テロの期限(タイムリミット)が迫る中、集落の住人でカリスマブロガーの陽菜子と、“死神”の異名を持つエリート官僚の雨宮は、日本の存亡を賭け、不可能犯罪に挑む。最注目作家による本格ミステリ×サスペンス!
内容説明
“奇跡”の限界集落で発見された首無し死体。愛国者にして救世主を名乗る犯人は高らかに宣告する。「すべての地方都市を放棄せよ。人質は地方に暮らす8000万人の日本国民」。ドローンによる無差別テロの期限が迫る中、集落の住人でカリスマブロガーの陽菜子と、“死神”の異名を持つエリート官僚の雨宮は、日本の存亡を賭け、不可能犯罪に挑む。最注目作家による本格ミステリ×サスペンス!
著者等紹介
結城真一郎[ユウキシンイチロウ]
1991(平成3)年、神奈川県生れ。東京大学法学部卒業。2018年、『名もなき星の哀歌』で新潮ミステリー大賞を受賞してデビュー。2021(令和3)年、「#拡散希望」で日本推理作家協会賞(短編部門)受賞、同短編を収録した『#真相をお話しします』で、2023年本屋大賞ノミネート(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
317
興味はあったけど手をつけていなかった作家さん。若手っぽい瑞々しさもあり、テーマの見つけ方に玄人っぽさもあり、手堅く評価を上げていきそう。探偵役となるコンビは好きで、まるでホームズのようなわかりやすい天才アピールも嫌いではない。ただやはり、実行犯が確定するのが早すぎる。さすがにそのままストレートに終わることはないだろうから、ラストに何かあるだろうなと察しはつくが、その何かにあたる人物が一人しかおらず、あまりにも先が読みやすい。犯行を証明する解決場面は格好よく決まっており、シリーズ化するならまた読むかも。2024/12/17
mayu
27
過疎化が進み人口が減少し続ける地方、財源を使っても未来に明るいものは見えない現実。そんな現代の消滅しそうな過疎化した村を復活させた救世主の様な存在、神楽零士の遺体が山中で発見される。目を逸らせない社会問題×ミステリー、役人がリモートでトリックを解いていくのは新鮮で面白かった。でも中盤あたりからなんとなく読めてきてしまって、失速してしまい読み終わるのに時間がかかってしまった。パトリシアとかドローンとか興味を惹く部分が沢山あったし、テーマは面白そうなのにハマりきれず残念。2025/01/01
numno1
14
巻末の解説によると結城先生は過去の作家が絶対に書けなかった作品を書きたいということで、最新のガジェット・技術・職業などを題材としているとのこと。本作はドローンを用いた不可能殺人ものです。かなり本格的な?本格ですが、一方で現代の日本における地方の没落・崩壊の問題を提起する社会派小説としても読み応えがありました。米澤穂信先生も「Iの悲劇」で題材にしていたし、もっと真剣に考えなければならない問題なんだろうなあ・・2025/04/10
shi-
12
あらすじに惹かれて読んだ…んだけど、ちょっとぶっ飛び過ぎて、テーマは現実味があって良かったのにちょっと残念。 ラストはちょっと感動的だったし、面白かったんだけど、読んでいてしんどかったのはなぜ??2024/12/10
じーつー
8
ドローンによって復活した限界集落。 復活したと言うのかはわからんけど。 地方を捨てて国の機能を都心に集中すべきだという能面女の主張に従わず、見せしめとしてそこに移住したカリスマ政治家が殺される。 首切断+燃えるなんてとんでもない状態で。 犯人は後半入って少ししたくらいで明示されるから、その先はハウダニットを楽しむ物語。 なんだけど最後に明かされるホワイダニットが良かったな。2025/03/11