出版社内容情報
思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、そして、ともには生きられなかったあの人のこと――。大胆な仕掛けを選考委員に絶賛されたR-18文学賞大賞受賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。
内容説明
思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、そして、ともには生きられなかったあの人のこと―。大胆な仕掛けを選考委員に絶賛されたR‐18文学賞大賞受賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。
著者等紹介
町田そのこ[マチダソノコ]
1980(昭和55)年生れ。2016(平成28)年「カメルーンの青い魚」で「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞。翌年、同作を含むデビュー作『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のいじぃ
636
読了。小さな町で生きていく人たち、目の前の世界を受け入れていく人たちの短編連作集。表紙に惹かれて購入。R18文学って何だと思いつつ、数カ所、直接的な表現があるだけで、他の女性作家が描く一般のものとの違いが分からなかった。内容も初めて触れる人、感性豊かに共感できる人には良いのかもしれないけれど、個人的には目新しさを感じることもなく、先に「コンビニ兄弟」を読んでしまっていたので似たような話だな、と。作者は「この層」に何かしら思い入れでもあるのだろうか。クラスの女子達も「いかにも」的。とりあえず、野良は逞しい。2021/06/20
ニカ
526
あとがきにもあるが、それぞれの章の出だしが美しく、引き込まれる。逆に物語の内容はどれも心の中を抉られる様な、痛々しくて、切なくて、悲しいものが多かったが、最後に希望が残る様な終わり方が殆どでホッとした。2021/07/28
あきら
467
一つ一つの短編が交錯して物語が作られていく。思わずページを何度もめくり戻してしまいました。 短編のはじまりの一文がすべて素敵で、一瞬で興味を持っていかれました。面白かった。2021/04/03
future4227
464
町田そのこさんのデビュー作となる連作短編集。それぞれの話の登場人物が他の話に絡んできたり、繋がっていたりで、あっ、この人あの時の彼だったのかとか、思わず再会の喜びを感じてしまう。ミニどんでん返しみたいなオチもあって、ちょっとしたサプライズも。町田さんの文章は描写が美しくて優しい。DVでできた青あざでさえも美しく表現してしまう。ただ、登場人物の多くがキレやすい人だったり、暴力的だったり、背負っているものが重い人ばかり。ラストも望んでいるようには終わってくれず、味わいはあるけどなんかスカッとしない。2021/08/10
射手座の天使あきちゃん
429
「おぎゃあ」と生まれ落ちた環境の違いでその子の人生は半分決まったようなもの… 『人間は法の下にみな平等で…』なんて世迷言を真に受けて頑張る子供も少なくなったと思いますが、この本の中には健気に生きる少年少女が居るんです! 啓太、負けるな! 晴子、突き進め♪ 似合わないけど小説読んで久々に瞼を濡らしました <(^_^;2021/12/18