内容説明
世紀末、東欧革命前夜のウィーンで出会ったバイオリニスト・走馬充子と外交官・真賀木奏。音楽への情熱を共有する二人は、亡命ルーマニア青年のセンデスから、古い手書きの楽譜を譲り受ける。「百年後の愛しい羊たちへ」と題されたその楽譜には、歴史を変える力が秘められていた―。異国での激しい恋が呼び寄せる運命の翳り。謎と官能に彩られためくるめくドラマの幕が上がる。
著者等紹介
高樹のぶ子[タカギノブコ]
1946(昭和21)年、山口県生れ。東京女子大学短大卒。’84年「光抱く友よ」で芥川賞を、’95(平成7)年『水脈』で女流文学賞を、’99年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞
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感想・レビュー
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James Hayashi
28
ヴァイオリニストの天満敦子がモデルとなった小説。慣れないルーマニアの地名や名前で読みづらさを感じたが、すぐに慣れ東欧での恋愛と100年の謎に包まれたミステリーに読み応え十分。東欧革命の前夜に、ルーマニア近代音楽の祖と呼ばれるポルンベスクの残した楽譜を主題に、外交官とヴァイオリニストの女性の恋愛を織り込んだ大作。下巻へ。2019/07/06
かこりむ
12
想像以上に壮大でファンタジックな物語。ルーマニアといえば、白い妖精ナディア・コマネチ、そして失脚したチャウシェスクの画像・・・ほぼそれしかイメージできないという知識の無さ(-"-)。本書を読むことで少しだけ身近な国になりそうだ。とにかく楽譜の謎が気になるので下巻に進もう。男女の四角関係は、何ともまどろっこしく感じるが、若いビエナが傷つかなければいいなと思う。本筋とは関係ないけど、クリムトの表紙の方が良かった(出版社が違うのですね)。図書館本だから文句言えませんが。言ってるけど。2015/09/26
tonakai
0
メロドラマ部分と亡命物語部分、ミステリ部分がまだあまりうまく融合してないが、これからまとまっていくのかな2014/11/17




