内容説明
やはり彼らは、只者ではなかった。入試倍率は東大のなんと約3倍。しかし卒業後は行方不明者多発との噂も流れる東京藝術大学。楽器のせいで体が歪んで一人前という器楽科のある音楽学部、四十時間ぶっ続けで絵を描いて幸せという日本画科のある美術学部。各学部学科生たちへのインタビューから見えてくるのはカオスか、桃源郷か?天才たちの日常に迫る、前人未到、抱腹絶倒の藝大探訪記。
目次
不思議の国に密入国
才能だけでは入れない
好きと嫌い
天才たちの頭の中
時間は平等に流れない
音楽で一番大事なこと
大仏、ピアス、自由の女神
楽器の一部になる
人生が作品になる
先端と本質
古典は生きている
「ダメ人間製造大学」?
「藝祭」は爆発だ!
美と音の化学反応
著者等紹介
二宮敦人[ニノミヤアツト]
1985(昭和60)年東京都生れ。一橋大学経済学部卒業。2009(平成21)年に『!』(アルファポリス)でデビュー。ユニークな着眼と発想、周到な取材に支えられた数々の小説を世に送り出し人気を博す。著書多数。『最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常』が初めてノンフィクション作品となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
344
ホントにもうほとんどカオスで楽し過ぎます!インタビュアー(著者)もカオスに憑りつかれたかのような質問をしていますwww。でも、芸術ってのはカオスから生まれて来るんじゃなかったっけ。2022/07/18
まーくん
343
昔々、センター試験も共通一次もなかった頃、普通の国立大は4~5倍の入試倍率なのに、東京藝術大学ってとこは30数倍!いったい誰が受けるの?田舎の高校生には想像つかない別世界だった。後に東京に住むようになって、”これが、あの藝大か?”と何度か。美術館とか奏楽堂とか。選りすぐりの才能溢れる若者が学んでるが、アーティストとして世に出るのは、ほんの一握りではなく、一摘みらしい。でも、芸術の才能ある人、羨ましくも尊敬してしまう。学生の言葉、”藝大ってやっぱり楽しいです。頭のおかしい人がいっぱいいて、自由で。”2019/04/20
mitei
300
まずとてもカオスな世界が日本にあるんだと驚いた。実際に行って見てみたいな。一芸に秀でるとこういう感じになるのかと思うし、私もこんなに夢中になれるものがあればなぁと思った。2020/02/23
ちーちゃん
286
入試倍率は東大の3倍という、非常に狭き門である東京藝術大学。妻が藝大生という作者が、秘境である藝大の美術学部と音楽学部に赴き、学生へインタビューした内容をまとめた本となります。非常に個性的な生徒が多く、そのカオスっぷりに笑いながら読みました。ただ、卒業後行方不明になる人数もかなり多いそうで、芸術で食べていくことの厳しさを改めて思い知らされました。美術学部に合格した方達の作品をネットで拝見しましたが、あまりの完成度に驚嘆しました。秘境•藝大の素晴らしさや大変さを知ることが出来た良書でした!
mae.dat
274
迸る情熱を如何なる形で表現することが出来ようか。沢山の人のインタビューが元になっていますので、携わり方や温度感は違いますが、美術作品の作成と、音楽の演奏。形は違えど、作品への愛情が好いですねぇ( ¨̮ )。楽しんでいる、時には苦しんでいるのでしょうが、そう言う姿も好いですねぇ( ¨̮ )。ただ大学が追えていないだけと思いますが、半数が卒業後行く方知らずだとか。天才の集団ですから、その才能を遺憾無く発揮して社会に還元し、社会もその成果に対価を支払えるwin-winな関係になると良いんですけどね。2022/12/15
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