新潮文庫<br> 行人 (改版)

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行人 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 418p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101010120
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

学問だけを生きがいとしている一郎は、妻に理解されないばかりでなく両親や親族からも敬遠されている。孤独に苦しみながらも、我を棄てることができない彼は、妻を愛しながらも、妻を信じることができず、弟・二郎に対する妻の愛情を疑い、弟に自分の妻とひと晩よそで泊まってくれとまで頼む…。「他の心」をつかめなくなった人間の寂寞とした姿を追究して『こころ』につながる作品。

著者等紹介

夏目漱石[ナツメソウセキ]
1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)に生れる。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学した。留学中は極度の神経症に悩まされたという。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表し大評判となる。翌年には『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。’07年、東大を辞し、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。1916年、最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

520
1912年12月から翌13年11月まで朝日新聞に連載されたのが初出。研究者の間での評価は知らないが、読者として読む限りは幾分かの不満が残る。すなわち、内容からすれば未完ではないのか、との疑問がそれである。二郎の結婚問題にしても、嫂の直との問題、また兄の一郎との確執など、そのいずれもが解決しないままである。また、末尾に置かれたHからの手紙で終わることも唐突の感を免れない。読者は当然に二郎の物語として読むことになるが、彼は初期三部作の三四郎を思わせる。また、一方で手紙で終わる結末は次の『こころ』を予感させる。2021/02/24

まさにい

174
この話の主人公を兄の一郎とみるとき、一郎を繊細すぎると一言で言っていいのであろうか。僕は知ってしまったものの苦悩と捉えた。知らなければ幸福というものを研究することなく、ありのままの物事を受け入れることができるが、『幸福』とは何かを追及する能力があるばかりに思い悩んでしまう。文中に出てくる『絶対的相対』という概念。キリスト教という一神教を知ってしまったがゆえに、仏教の『相対性』と相いれず、真理としての『幸福とは何か』に思いに悩んでしまう。文中最後に出てくる『所有』という概念は無心の境地、ということなのだろう2016/12/05

優希

140
孤独を描ききった作品だと思います。繊細すぎる知識人の苦悩の物語でした。学問だけが生きがいの一郎にとって妻に理解されず、家族矢親戚からも疎遠にされているのはかなりの苦悩だったでしょう。「他の心」をつかめない心の苦しみは、漱石の心の叫びだったのかもしれません。最後の手紙には息をすることもできないような辛い思いが詰まっていました。考えることが苦しみを背負うことに通じる痛みが伝わってきます。2015/09/22

Gotoran

129
漱石後期3部作の2作品目。学問に生きる一郎(主人公)は、頭の中の殆どが理で詰まっているためか、自己中心的で他者の心を掴めず、妻・家族を愛しながらも信用することが出来ず、苦悩する。語り部の弟・二郎と兄・一郎、兄嫁・直の三角関係、その他登場人物の恋愛等、周辺の人間関係を克明かつ微細に描き出して、一郎のひとりよがりの心を病んだともいえる苦悩が明らかになっていく。現代人にも通じるところがある主人公・一郎の心の葛藤。本作でも漱石の心理描写の秀逸さを垣間見ることができた。次は後期3部作の・・・。2015/01/27

Kajitt22

126
漱石自身である『一郎』を、内なる私である『二郎』が見つめ、会話し、探究し、他人をも介して理解しようとする小説。漱石の小説では、男性に対しては的確な文章で辛辣な筆をふるう漱石も、女性となると謎めいたヒロインが多く、まさにそこはロマンチストなのかもしれない。今回は旅先の情景が多く語られ、また、当時のつつましい婚礼の場面もあり楽しめる。自分探しの旅の最後も『一郎』は眠ったままだ。2018/02/03

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