新潮文庫<br> 雪国 (改版)

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新潮文庫
雪国 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 208p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101001012
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

身も心も愛してほしいのに、なぜ男は冷たいふりをするのよ。

親譲りの財産で、きままな生活を送る島村は、雪深い温泉町で芸者駒子と出会う。許婚者の療養費を作るため芸者になったという、駒子の一途な生き方に惹かれながらも、島村はゆきずりの愛以上のつながりを持とうとしない――。冷たいほどにすんだ島村の心の鏡に映される駒子の烈しい情熱を、哀しくも美しく描く。ノーベル賞作家の美質が、完全な開花を見せた不朽の名作。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

694
再読。この物語は話型からしても、典型的な異郷訪問譚である。「国境の長いトンネル」という境界の向こうは異世界なのだ。しかも、それは双方向性を持たず、島村の日常である東京の側からは行けるが、雪国の側の女たちは境界を反対側から超えて来ることはない。駒子も葉子も雪国に閉じ込められたままだ。そう、雪国はきわめて「閉じられた世界」でもある。ここに流れる時間は、駒子たちにとっては逃れられない日常だが、たまさかに訪れる島村にとっては非日常の時間である。最後の火事の場面で、この両世界は共に美しい幻想の中に飲みこまれて行く。2014/02/20

ユーさん

260
時々、理解不能になる会話。「古都」同様の物足りない終わり方。それでも、書き出し文から虜にする高尚な書き方は、川端さんならではでしょうか。2018/08/30

關 貞浩

258
語り手の心に広がる限りない虚空。生の無意味を悟りきり、天界から衆生の営みを見下ろすような彼の目には、生きることのすべてが徒労と映るのかもしれない。そうした彼の魂の暗黒を背景に、駒子との逢瀬によって紡ぎ出される命の煌きが、天の川のような輝きを湛えて夜を美しさで満たしてゆく。喜怒哀楽の豊かな駒子。畳の上で息絶える虫。それらを等しく眺める眼差しに、生きることの奇跡に対する驚きが重なる。報われない恋といずれ失われる命の有限性。その豊穣と不毛が彩るコントラストが、夜の底を白く染めあげる雪のように美しく描き出される。2018/07/30

青乃108号

220
誰もが知る有名な作品だが、今さら初めて読んだ。 死ぬまでに一度は読んでおいた方が良いだろうと思ったからだ。 雪国の静謐な白さ。無為徒食の島村の虚無。駒子の激しい情熱。葉子の儚さ。燃える火と天の川が融合し物語りは終わる。 日常の些事を一時忘れ、物語りに引き込まれていた。 本を読むって、やっぱりいいな。2021/07/19

夜間飛行

219
冒頭の汽車の場面で、ガラスに映る少女の顔と外の夕景色が重ね合わされるが、同じような手法は彼方此方に散見される。中でも鮮やかなのは島村が駒子と再会した翌朝、《島村はその方を見て、ひょっと首を縮めた。鏡の奧が真白に光っているのは雪である。その雪のなかに女の真赤な頬が浮んでいる。》…二重写しの手法は、川端の見る行為の本質を明かしているのではなかろうか。それは人物を見る時に、常に「夕景色」「雪」といった移ろいゆく自然の風物を重ね合わせること。川端が、人物(特に女)にその景色を感じる時、書く意欲が生まれるのだろう。2019/12/15

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