内容説明
日本人初のノーベル文学賞に輝いた川端康成の作品には、日本的な美とともにエロスが限りなく漂っています。『伊豆の踊子』の薫を見つめるまなざしにも、『雪国』の駒子を覚えている島村の指にも。それは端整な文章が誘う甘美な「魔界」。さあ、川端ワールドをたっぷり召し上がれ。わかりやすい評伝・名作の要約・音読したい名場面・人気作家のエッセイなど、文豪の新しい魅力が発見できる画期的なシリーズ。
目次
超早わかり!川端作品ナビ
10分で読む「要約」川端康成
声に出して読みたい川端康成
川端にぶっとんだ作家による熱烈エッセイ
評伝 川端康成
1 ~ 1件/全1件
- 評価
稲岡慶郎の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
73
このシリーズは正直マークしていなかったのだが、読んでみてしっかりした内容に感謝した。特に評伝と巻末の参考文献を、今後の研究の指標としたい。あと人間というのは本質的にエロティシズムを内包した一匹の動物に過ぎず、文学は人間を追究していくものなのだから、その要素を排除してしまったら贋物となるのである、ということを、ごく最近悟った次第です。川端康成の文章はじゅうぶんな抑制と品性がありますよ。2019/01/30
優希
48
ノーベル賞作家の世界観をコンパクトにまとめています。美とエロスの詰まった世界は端正で川端にしか描けないものだと感じました。2023/08/03
クプクプ
40
私は川端康成の作品は一通り読んでいて、鳥の名前や自然・博物学に詳しい作家だと思っていましたが、特に「雪国」が意外に難しいと感じていました。しかし、この本には「雪国」が越後湯沢不倫旅だと書いてありました。また「雪国」の日本映画が濡れ場があり韓国で大ヒットしたと知り、「雪国」に少し親しみがわいたのは収穫でした。島内景二の評伝も川端康成の交友関係ばかりでなく、鎌倉など住んだ土地や作品の背景をしっかり書いていて、こなれた文章で素晴らしかったです。機会があったら、また川端康成の美しい文章をゆっくり読みたいです。2018/11/23
メタボン
36
☆☆☆ 川端康成の魅力をコンパクトにまとめている。改めてその魔性の文章にじっくりと浸りたいと思った。2021/06/23
tomi
28
取っつき難く、最近も「雪国」を途中挫折したため川端を知ろうと読む。木原武一氏の「雪国」等の要約、石田衣良、角田光代氏のエッセイなど多彩な内容。中でも川端の文章の魅力を解りやすく解説した齋藤孝氏の「声に出して読みたい川端康成」、島内景二氏の評伝を興味深く読んだ。やはり川端はゆっくり美しい文章を味わいながら読むべき。(それにしても表紙の言葉は何なんだ(笑))2014/03/16
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