出版社内容情報
自身の罪の原風景を描いた著者初の短編集
あの日の罪は今でも血を流している・・・
記憶の奥底で疼く傷・・・赦されることなく、風化することなく、疼き続けるその痛みこそが、作家の現在(リアル)を形づくる。
『惡の華』『血の轍』の押見修造氏が、自身の実体験を元に描いた回想録4編を収録!!かつてない“私漫画”短編集、登場。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
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3
肌を搔きむしった後のヒリヒリとした痛みが、ずっと消えずに残り続けるような読後感。薄暗く鬱屈としてしまう雰囲気と、誇張することなく淡々と進行する語り口。暗闇の中で独り言を延々と話すような、そんな独白めいた印象を全編から受けた。その現実味から、物語を自分事のように捉えながら読み進め、そして似たような記憶を脳内で探し出そうとまでしてしまった。心臓に黒い淀みが蓄積するかのような、解決も好転もしない展開と結末の数々に、何故だか焦りを感じるとともに、誰も居ない部屋で無数の視線を感じるかのような緊張感さえあった。2025/11/01
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