出版社内容情報
陸軍の隠し金塊に翻弄された女性の運命!!
第二次世界大戦が終わってから8年が経ったある日、大衆演劇で女優として活躍する春子の前に、突然見知らぬ男たちが現れた。彼らは春子が、彼らが探している物の手がかりを握っているはずだと迫るが、春子は身に覚えがない。
さらに、男達は彼女の想像を遥かに超える話を語り出す…
それによると、軍人だった父は戦死ではなく、旧陸軍の隠し金塊を巡る争いに巻き込まれ、拷問され死んだというのだ。衝撃的な話に動揺する春子だったが、それは彼女が戦後日本の裏で暗躍する、金塊を狙う人々との戦いの始まりだった…!
春子に狙いを定めて襲い来る男達の攻撃から、彼女は生き延びることができるのか!?
そして、旧陸軍の隠し金塊は本当にあるのか!?
美しきヒロインが己の運命に葛藤し、戦う、大人気ヒストリカルサスペンス待望の第1集!!
【編集担当からのおすすめ情報】
巨匠・小山ゆうが渾身の力を込めて描く、ヒストリカルサスペンスがついに開幕!!
亡き父が旧陸軍の隠し金塊に関与していたとされる春子が、父が残した謎、そして金塊を追う男達に狙われるという数奇な運命に翻弄されながら人生を懸けて戦うサスペンスです。
猥雑で熱い戦後の中で、女性がいかに戦い、生き延びていくのか。熱い小山節炸裂でお届けいたします!是非ご一読ください!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
23
同じように戦後を描きながら、復讐譚であった『雄飛』に対して、この最新作『女神の標的』は旧陸軍の隠し金塊をめぐるトレジャーハンターの構造をもつ。大衆演劇の女優・春子を主人公とすることで小山ゆうは、男社会に立ち向かうヒロインの構図を利用しながら、戦後の闇のその深さを際立たせようしている。信じる者が少なくなっていく中で春子が拠り所とするのは、亡くなった父の日記に綴られた言葉の数々だ。そこに金塊の在処を見ようとする男達と、父の誠実な意志を感じ取ろうとする春子の対立が物語を躍動させていく。2024/05/03
KDS
4
本作は戦後日本を舞台に繰り広げられる、旧陸軍の隠し金塊をめぐるサスペンスミステリー。舞台女優として活躍する春乃こずえこと、霧島春子の元へ突如やってきた二人の男たち…彼らの言うには、軍人だった春子の亡き父は終戦間近に陸軍の金塊を隠す命を受け実行したが、誰にもその場所を教えることなく拷問により死亡したのだという。戦死としか聞かされていなかった春子がショックを受けている暇もなく、次々と金塊を狙う金の亡者どもは来襲する。父の身に一体なにがあったのか?そして金塊の行方は?謎を秘めた小山ゆう期待の新作、遂にスタート!2024/05/03
kadocks
2
小山ゆう先生の最新作。前々作も途中で止まってるので、戻って読まなくては。で本作。「日輪の遺産」や「ゴールデンカムイ」のような秘宝を探る大きな物語がありつつも、追われるあずみを彷彿とさせる美しい主人公が、敵と父親の残した秘密に立ち向かっていくという成長譚を描くようだ。とにかく語り口が巧みで、イヤな奴の描き方が抜群。風呂敷の拡げ方もただただ上手い。この辺のストーリーテリングの上手さは小山先生ならでは。(ゴールデンカムイとか拡げすぎて失敗してる)今回はしっかり追うよ。2024/09/19