出版社内容情報
患者からの恋愛感情に、医療者は…!?
担当する患者から好意を示された夜野。
看護師の先輩たちに相談して拒絶の意を示した彼女だが、
患者から「人間同士でつきあってたのではないのか」と責められる。
医療者は恋愛感情にどう応えるのが正解なのか?
悩みを抱えつつ、彼女は「慢性期病棟」へ。
そこで出会ったのは何十年間も入院している
曲者の患者ばかりで……
【編集担当からのおすすめ情報】
今巻には「精神科の歴史」というエピソードが収録されています。
精神科の成り立ちや、一般の方が持つ精神科への偏見、
行き場がないから退院できない患者さんの苦悩など…
現代日本が抱える問題をここで浮き彫りにしています。
ぜひ知っていただきたいです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
74
薬物依存症の患者からの好意。難しい仕事だと思う。医療従事者と患者の関係なので、それ以上に関係が進展はしない。だが拒絶で患者の病状悪化も頭をよぎる。それでも一線を画して治療にあたるしかない。慢性期病棟は非常に重たい。看取りまでの終の棲家になる可能性も相当ある。社会から隔絶されているからギャップも大きいし、退院に向けた不安も大きくなる。最後のおまけマンガでの不破さんのファストフード店の店員への行動はどうだろう。正直、私はゾッとしてしまった。精神を病む。非常に重いテーマを描く作品。これからも考えながら読もう。2022/03/06
モルテン
11
夜野さんは良いナースだ。もちろんそこには作中言及されているように彼女が「未経験」だからというのもあるけど、夜野さんは一生懸命聞いて対話しようとしている。どうかこのままでいてほしい。今後大いに挫折し傷つくとしても。長期入院の話は、呉秀三のこの言葉を思い出した。『わが邦くに十何万の精神病者は実にこの病やまいを受けたるの不幸の他ほかに、この邦くにに生まれたるの不幸を重かさぬるものというべし』90年代まで使われていた病棟を見てゾッとした。この時代をこれ以上引きずってはいけない。2022/07/10
tow
6
同僚ちゃんにご紹介(*≧∀≦)めっちゃウケてた、うんちのエピソードヾ(≧∀≦*)ノ〃もう、分かる人にしか←職種にしか分からないポイントなんだろうなって思う。普通は、ひくよね、でもうちらは笑っちゃうの。2021/10/18
tow
5
長期入院患者さまの巻。職員サイドの気持ちも患者さまの気持ちも、分かりみがすごすぎるヾ(≧∀≦*)ノ〃←うちの病棟、覗いてたの?くらい分かりみがすごすぎるヾ(≧∀≦*)ノ〃←本当になんでうんちに拘るんだろう?くらい分かりみがすごすぎるヾ(≧∀≦*)ノ〃←本当にせっかく退院したのに、帰ってきたのかーっ。エンドレス過ぎる感想しかでてこないが、ふざけているわけじゃなく、これがアタシの日常であーる。的な一冊。アタシは看護助手だけどね。面白いのと、切ないのと、やりがいがあるのか、見えないだけなのか、的な一冊。2021/10/15
てつ
4
考えさせられるなぁ、人との距離感、自分の世界、2024/06/19