出版社内容情報
かねもと[カネモト]
原著
シバタ ヒカリ[シバタ ヒカリ]
イラスト
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブ
30
今流行りの「異世界転生」ものかと思いきや、ちょっと違う人間ドラマが...。1人息子を交通事故で亡くした美央。受け入れ難い現実。きっと異世界転生して別のところにいるはず。その手がかりを探して高校時代の同級生、堂原の元へ。2022/11/08
exsoy
26
息子を喪った母親が異世界転生する方法を探す。本当に信じている訳じゃなく、喪失感に整理をつけているだけか、はたまた逃避か。胸が苦しい。2022/05/22
トラシショウ。
23
「これは物語じゃない現実だから、俺が美央さんを解らなければ解らないまま。でも、もし俺が・もっと美央さんを知る事が出来るなら、知りたいと思った」。積読消化。平凡な会社員として密やかに暮らす中年オタクの堂原(35)の元に突然やってきた、学生時代さほど交流が無かった筈の同級生の美央。息子を交通事故で亡くした彼女は彼が愛好していたラノベの知識から「我が子は異世界転生した」と考えて彼の助力を求めていたのだ。かくして不本意ながら、不定期に自宅を訪れてはラノベを借りていく彼女との奇妙な日々が始まる(以下コメ欄に余談)。2022/01/06
黒ごま
20
かねもと先生の原作を読んで一度はわかったと思ったけれどこれは私には難しい話で感想がまとまらない。あれも違うこれも違うとなる。宿題。2021/12/21
のれん
11
息子のために何かしてやれないだろうか。人の別れはそうすぐにできるものではなく、その人にそったスピードとやり方で通すしかないのだ。この物語は母親と息子が別れるまでの物語なのだ。 展開がコメディでよく見かけるものではあるものの、「異世界転生」という荒唐無稽な空想が、実は現実よりも死や痛みの先を考えているという対照さがなんとも言えない。 空想は私たちに無限の夢を魅せてくれるが、現実に対しては無力でしかない。この屈折さは物語にとって永遠のテーマなのだと思う。2022/01/04