出版社内容情報
「最悪」を想定しつつ、「最良」に挑め!
心が、新人作家・中田伯の『ピーヴ遷移』担当に返り咲く。
二人三脚での漫画作りが再始動、
『ピーヴ』のアニメ化企画も本格的に動き出す。
アニメに関わるスタッフ達は斬新なアニメ作りに燃えて、
オリジナルエピソードを作ることに。
しかし、これにより伯が「最悪」の事態を迎えるのだった…!
心やアニメに関わる皆は「最良」の状況--
伯が、自分たちが、信じる面白いものを求めて奮起する!!
【編集担当からのおすすめ情報】
17集には、スクリーントーンやGペンなど、
アナログの作画道具を描く回が登場します。
漫画制作を支え続けてきた「アシスタント」という存在も。
松田奈緒子氏がずっと描きたかったエピソードです!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
75
この17集では、あの最低・最悪な編集長がいないので安心して読めると思っていたので、過去の振り返りの場面でいきなり登場したのには驚いたが、伯と心のコンビが復活し『ピーヴ』のアニメ化の話が進行していく。伯の精神状態が完全に安定するまでいかないけれど、恋のおかげで以前とは違って徐々に人との関わりも持てるようになり、大きな重しも取れたこともあって、先は明るい。途中登場した漫画制作においてデジタル化の反対にあるような職人技の話は、松田さん自身の想いが詰まっているように感じられて、たいへん興味深く読むことができた。2021/09/15
きむこ
61
ピーブのアニメ化決定♬紆余曲折があったけれど、中田伯が物事を投げ出さなくなった事とどうしたら?を一緒に考えれるようになったのはすごい成長だよね。鮎ちゃんの存在が大きくなればなるほど、失くした時の危うさを心配してしまうけれど、確実に少しずつ彼の仲間や彼を気遣ってくれる人々が出来ているから大丈夫だと信じたい。2021/12/25
ぐうぐう
34
漫画だけではなく、その周辺にあるものを丁寧に掬い取っていく『重版出来!』。今巻はアニメ化について。漫画ではボツになったエピソードをアニメオリジナルで作ろうとするが、原作者の意図がアニメ製作側になかなかうまく伝わらない。言葉で伝わらないのならネームで伝えればという黒沢の機転が功を成す。「このクリエイターたちは漫画という共通言語でつながって、物語で感情を送り合っている…」漫画で繋がり、漫画で伝え合い、漫画で救われるという循環。アナログ作画を通して漫画を陰で支える人々を描く「クロニクル!」の回もいい。2021/09/20
陸抗
28
ビーヴのアニメ化の話、中田君の希望通りになって良かった。編集部とどこの会社にするかで揉めて、クオリティが下がったりとかも実際にありそう。オリジナルのシナリオも、ネームで分かりあえるって素敵。クリエイター同士だからの会話の方法なんだね。アナログ原稿で使われてた道具の話、当時と今じゃ漫画の書き方も随分変わってそうだけど伝説のアシスタントキヨミさんみたいな方、今も居るのかな。アユちゃんのストーカー、本人は気のせいとか言ってるけど心配ですよ。アユちゃんが出るコマに、変な人居ないか探しちゃったよ。2021/10/31
JACK
21
☆ マンガ業界のお仕事マンガもこれで17集。毎回新しい切り口で様々なエピソードを読ませてくれる傑作です。今回はマンガをアニメ化する際の話の進め方や、マンガ家とアニメの脚本のイメージ合わせ、アニメオリジナルエピソード回を作るのか原作に忠実に行くのか、といった内幕が描かれます。中田先生の体調の話は読んでいるこちらまで苦しくなりそうでした。いつも読んでいて圧倒されてしまいます。他にはない面白さがある作品です。2021/09/26