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出版社内容情報
空海と最澄の前に、権力者が君臨する!!
平安、嵯峨天皇の御代。
最澄は空海の密教を貪欲に学ぼうとするが・・・
法の真実を追求する二人に、
権力者・藤原冬嗣が絡み、状況は思わぬ方向に・・・
【編集担当からのおすすめ情報】
既刊単行本が続々重版出来!!!!
人気も勢いも止まらない、ヒストリカルロマン最新刊です。
おかざき真里先生ならではの表現で、
緻密に、そして美麗に描く空海と最澄の物語。
今集では、二人の関係が大きく変化し、
そして新たな敵が現る・・・?
是非、是非、お楽しみください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
32
平城上皇の退位までの流れから「肉親の固執がいちばん恐ろしい」(10巻)と悟った嵯峨天皇は、たくさん子供を作って自分が誰か一人に執着しないよう努める。同時にその事は皇后・橘嘉智子との間に距離を作る。また、多く出来た皇子・皇女を養うために財政が圧迫。対策として行われたのが皇族の多数に姓を授ける臣籍降下であり、漫画『応天の門』に登場する源融は、嵯峨天皇の皇子の一人。既存仏教に反旗を翻した最澄と空海も、支持者が増えればやはり一大勢力となって政治を脅かす存在になり、1巻で織田信長が比叡山を焼き払う流れに繋がる。2020/09/11
kayo
20
最澄と空海が呵呵と笑いながらも、今後二人が融合することはないのかと思うと虚しい。自分の進む道が見え変化していく最澄と、既に高みに上がっている空海との分岐が始まっています。空海の人たらしは元よりですが、最澄の人としての大きさや経を読む美しさは誰もが感じるところ。彼を慕う弟子の光定にも、その美しさが確かに受け継がれています。ただ彼が山を出ようとする泰範にあれほどこだわる理由が私にはよく分かりません。これから始まる政治劇と、新しい仏教の形がどうなるのかチンプンカンプンながらも楽しみです。2020/09/22
あーびん
17
「伝法灌頂」を受けるまであとどれくらい時間がかかるのか、最澄の問いに対する空海の容赦ない残酷な答え。自分に残されている時間があまりにも少ないことを悟り、最澄は空海の元を離れて動き出す。泰範が空海を選ぶシーンの空海の決め台詞が唐突すぎてよくわからなかった...天才の空海よりも苦労人の最澄にほんと同情したくなる。2020/09/26
ponkichitaro1
15
自分に残された刻限を、己の亡き後を見つめ続ける最澄、ますます巨人化してゆく空海。 二人を掌中におさめようとする藤原冬嗣の策謀。 この時代のこの国にあって、『守るべきものは国家』と言い切る彼もまた怪物。 彼らが剣の刃の上で舞うつかの間の美しいひとときの巻。 まあー、とにかく荘厳美麗な密教の世界というものが漫画で描かれている奇跡にひれ伏します。2020/09/22
にぃと
9
最澄と空海を引き裂くのは政治。この巻では最澄が活躍。最初から読んでるとひとつ報われたような、吹っ切れたような、とにかく今の最澄が見れてよかった。それだけに要所要所で死や終わりを意識させられる展開はしんどい。楽しげな蹴鞠の場面にあわせて登場人物の末路が語られる鬼畜演出がこれまたしんどい。いや歴史が舞台だから登場人物死ぬのはわかってるけどそういうことじゃないじゃん? 雰囲気的に物語の終わりも見えてきてるのかもしれないけど、最後まで見続けていきたい。2020/09/12