出版社内容情報
時間を超え幽明を超えて、教育の対話は続く
心理学者、故・波多野完治が1982年から配本が始まった大村はまの全集へ、1巻ごとに送り続けた感想書簡に対し、大村はまが22年ぶりに談話によって試みた15の返信を集成。当時の世界的心理学者が、現場の一中学校教師に送った、教育を深く愛する心に満ちた書簡は、教育文化最盛時の香りを伝えて余りあり、これに対し、当時は返信するのさえ気後れがしたという謙虚な実践家が、今98歳の時点から語り起こす返信は、その一つ一つが自らの生涯の仕事に対する広大な省察に満ち、大村ファン必見の全集刊行秘話をも含む。教育混迷のこの時期に、日本の教育文化の不動の軸を確認すべく、全ての教師と教育に心を寄せる人々に捧げる、時間を超えた教育対話編。
内容説明
日本国語教育会の至宝・大村はま。心理学の世界的権威・波多野完治。巨星二人が、時間を超えて対話するとき、混迷の闇を開いて、日本の近代教育の不動の軸が浮かび上がる!新発見!教育実践から生まれた稀有なる全集に、日本心理学会の巨星が寄せた16通の書簡。心温まるその私信に、98歳の著者が歳月を超えて返す渾身の返信。
目次
国語単元学習の生成と深化
ことばの指導の実際
読むことの指導と提案
聞くこと・話すことの指導の実際
作文学習指導の展開
古典に親しませる学習指導
国語学習のために
書くことの計画と指導の方法
ことばの勉強会
国語教室の実際〔ほか〕
著者等紹介
波多野完治[ハタノカンジ]
1905~2001。東京神田生まれ。東京帝国大学文学部心理学科卒業。元・お茶の水女子大学学長。東西文化についての該博な知識をもとに、教育実践と心理学との連繋をはかり、生涯教育を提唱した。大村はまの全集に対して、16通もの私信を送る
大村はま[オオムラハマ]
1906~。横浜生まれ。東京女子大学卒業。戦前戦後を通じて54年間、一現場の教師の職にあり、実践をもって提案し続けた膨大な指導の工夫やてびきは、全集『大村はま国語教室』に結実。波多野完治から寄せられた私信に対して、22年ぶりの返信を語る
野地潤家[ノジジュンヤ]
広島大学名誉教授・鳴門教育大学名誉教授
橋本暢夫[ハシモトノブオ]
元鳴門教育大学教授
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