出版社内容情報
教育の根源は何か。人間にとって教育とは何なのか。日本ばかりでなく世界的に手づまりに陥った「教育」の状態を打開する道を模索する著者が、「教育」の歴史を洗い直し、これからの真の教育のあり方を提示する。
教育を人間が考え始めた時、すでに子どもを「善く」しようという意図があったこと、また人間は「善く」生きようとする存在であることを理論的に論述する。聖書に始まり、ソクラテス・孟子からルソー・ペスタロッチまで、古今東西の教育思想の「善さ」と「学び」に言及し、「国民自身の自立した『学び』を助けるという考えで日本の教育は構想し直さなければならない」と著者は具体的に説く。
内容説明
従来の政府主導による「教える」教育から、国民自身の自立による「学ぶ」という教育へ―。日本を代表する教育学者が長年の研究成果をもとに綴る教育論。
目次
第1部 学問としての教育(学問としての教育;教育をどう考えるか―私の教育研究の足どり;教育のはじまり;「善さ」への働き;教育と人間像)
第2部 宇宙の理法―「善さ」(存在と創造の原理;「善さ」による進化;「善さ」による適応と不適応)
第3部 原罪としての「善さ」(「原罪」の思想;「原罪」と「無知の知」と)
結びに代えて―巨木に育つトマトの「心」