出版社内容情報
韓国現代史「最大のタブー」に迫る!
韓国最大の歴史的タブーといわれる問題に迫った衝撃作です。
韓国では今、ベトナム戦争時の韓国軍による「ベトナム人虐殺事件」を解明しようとする動きが出ています。かつて、この事件について報じた韓国メディアは韓国軍の退役軍人らに襲撃されるなど、長くタブーとされてきた問題です。
経済的に強く結びついた韓国・ベトナム両政府は、この問題に蓋をして、真実を闇に葬り去ろうとしてきました。
筆者は、ベトナムにおいてこの事件の被害者や遺族の証言を得たことをきっかけに、ベトナム、韓国への取材を積み重ね、真実に迫ります。
戦争の悲劇、そして、政府や軍に翻弄される無辜の人々の姿。
日本の現代史を考える上でも貴重な作品です。
第28回小学館ノンフィクション大賞最終候補作。
【編集担当からのおすすめ情報】
※ベトナム戦争に従軍取材した報道写真家・石川文洋さん(84)による本書の推薦文です。
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著者の村山(康文)さんがベトナムで韓国軍の戦争を調べている様子は臨場感があって面白い。大変勉強になった。ベトナム戦争は第二次世界大戦後に起こった最大の戦争である。韓国軍のこと以外にもベトナム戦争について私たちが知らないことはまだ沢山あるだろう。村山さんやほかの人の研究を待ちたい。ベトナム戦争を知ることは日本の戦争の抑止力にもなる。
サイゴン(現ホーチミン市)に住みベトナム戦争を撮影していた頃、韓国軍が大勢の農民を殺害しているという噂が市内に広がっていた。この目で真偽を確かめるために1967年6月中部クイニョンに司令部がある猛虎師団の作戦に同行した。
しかし、その時は森林の解放戦線軍拠点を探す作戦だったので農民との接触はなく戦闘も交わされなかった。部隊は解放戦線軍が隠してある武器がないか探したが、その徹底した探索は南ベトナム政府軍、米軍を上回っていた。
師団基地には解放戦線から押収した武器が展示されていた。これだけの武器を集めるためにはかなり戦闘が繰り返されたろうと想像した。北ベトナム人民軍、解放戦線正規軍、解放戦線ゲリラ部隊が南ベトナム政府軍、米軍、韓国ほかの西側同盟軍と戦っていた。
解放戦線正規軍、ゲリラ部隊はその地区の農村の出身だった。西側軍は農村を爆撃、砲撃、銃撃で攻撃した。そのことによって多くの農民が死傷した。韓国軍の作戦でも多数の農民が犠牲になったと思っている。
なぜならベトナム戦争の多くは農村が戦場になっていたからである。サイゴンに支局を置いたABC、NBC、CBSなどのテレビクルーのなかには韓国人カメラマン、サウンドマンのスタッフがかなりいた。私も戦場で彼等と親しくなった。
彼等の多くが朝鮮戦争を体験していた。韓国に攻め込んできた北朝鮮軍に肉親を殺された人もいた。共産主義に対する反感は強かった
内容説明
取材13年。韓国現代史「最大のタブー」に迫った衝撃作。韓国で今、ベトナム戦争時の韓国軍による「ベトナム人虐待事件」を解明しようとする動きが出ている。犠牲者数は9000人以上とも推計されている。しかし、この事件について報じた韓国メディアが韓国軍の退役軍人らに襲撃されるなど、タブーとされてきた。著者は、ベトナムで事件の被害者や遺族の証言を得たことをきっかけに、ベトナム、韓国での取材を積み重ね、真実に迫る。
目次
第1章 よみがえるベトナム戦争(憎めない男;デーブとベトナム反戦運動 ほか)
第2章 証言者を探して(取材チーム“ビンディン”結成;「ライダイハンを知ってるか?」 ほか)
第3章 ベトナム人被害者は語る(大虐殺の村“ビンアン”;忘れようにも忘れられない ほか)
第4章 韓国軍元兵士に訊く(「韓国の父に会いたい」;晩秋のソウル ほか)
第5章 「記憶」との向き合い方(三人の訪韓;徴兵か、傭兵か ほか)
著者等紹介
村山康文[ムラヤマヤスフミ]
1968年、兵庫県生まれ。フォトジャーナリスト。立命館大学夜間主文学部哲学科中退。1998年、報道写真家・石川文洋氏に出会い、「ベトナムで石川文洋写真展を見るツアー」に参加。その後、渡航を重ね、ベトナムの社会問題を主に取材。2007年と2009年に、ベトナムでの幅広い活動が評価され、ホーチミン市文化スポーツ観光局から表彰を受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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