小学館新書<br> 辻政信の真実 失踪60年―伝説の作戦参謀の謎を追う

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辻政信の真実 失踪60年―伝説の作戦参謀の謎を追う

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  • サイズ 新書判/ページ数 446p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784098254019
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0231

出版社内容情報

元陸軍参謀が最後に企てた”作戦”とは?

1961年(昭和36年)4月4日、元陸軍参謀にして参議院議員の辻政信は、羽田空港から東南アジア視察のため単身、飛び立った。実はその出発直前、数々の「異変」が確認されていた。たとえば、辻の次男・毅氏はこう証言する。

〈父はタラップに4回出てきたんです、機内に入ってから。あり得ないことです……〉

その後の足取りは杳として知れず、8年後に「死亡宣告」が出された。
伝説の作戦参謀は、いったい何をしようとしていたのか――。

その生涯は、まさに波瀾に満ちている。

苦学の末、士官学校を首席で卒業、陸大で恩賜の軍刀を下賜された。
初陣の第1次上海事変での武勇が報じられ、一躍、時の人となるが、
作戦を主導したノモンハン事件で多数の犠牲者を出し大損害を蒙る。
太平洋戦争緒戦マレー作戦で名を上げ「作戦の神様」と称されるが、
シンガポール攻略後の華僑虐殺問題やフィリピン戦線での捕虜殺害、
ガダルカナル島奪還作戦の失敗などにより、その勇名は地に墜ちる。
タイ・バンコクで玉音放送を聞いた後、潜行生活に入ることを決意、
ラオス、ベトナムを経由して中国に渡り、極秘裏に日本へ帰国する。
戦犯指定解除後、『潜行三千里』など手記が次々とベストセラーに。
勢いに乗って衆院選でトップ当選、さらに参院選で全国3位となるも
その任期中に、内戦下の東南アジアへと向かい、消息を絶った――。

辻政信の主な評伝が刊行されたのは1980年代までだった。以来、30年以上の月日が流れている。本書は、戦前・戦中のみならず、戦後の潜伏生活や政治家としての言動、そして失踪に至るまでの経緯や死生観を丹念に検証し、数々の新証言・新事実をもとに辻政信の実像に迫っていく。

謎の失踪から60年――。毀誉褒貶の激しい作戦参謀の“正体”が明かされる。

【編集担当からのおすすめ情報】
辻政信の名は、昭和陸軍の悪しき独断専行の代名詞のように使われてきました。数多ある評伝の中で、辻を好意的に取り上げているのは1冊だけしかないという指摘もあります。
2018年に辻の地元である石川県の金沢支局に赴任した読売新聞の前田記者は、辻の関係者に取材し、新たな資料にあたることで、これまで知られることのなかった数々の事実を発掘していきます。
30年もの時を超えて、今こそ世に問う本格評伝、ぜひご一読ください。

内容説明

「作戦の神様」か、「悪魔の参謀」か―。ノモンハン事件やマレー作戦などを主導した作戦参謀は、戦後、戦犯追及を逃れてアジア各地に潜伏。経緯を綴ったベストセラー『潜行三千里』を引っさげて国政選挙に電撃出馬しトップ当選を果たすが、再び東南アジアへ旅立った後に失踪。「絶対悪」と指弾された男はいったい何をしようとしていたのか―。謎の失踪から60年、残された親族・関係者に取材し、未公開資料を発掘。その知られざる実像に迫る本格評伝。

目次

はじめに―「絶対悪」と「英雄」の狭間で
第1章 別れの予感―1961年の辻政信
第2章 炭焼きの子に生まれて―1902年の辻政信
第3章 「反骨」の萌芽―1917年の辻政信
第4章 不死身の中隊長―1932年の辻政信
第5章 転戦し続ける「神様」―1939年の辻政信
第6章 語られざる潜伏生活―1945年の辻政信
第7章 政界という名の戦場―1952年の辻政信
第8章 「失踪」の真実―再び1961年の辻政信
おわりに―負け戦と分かっていても

著者等紹介

前田啓介[マエダケイスケ]
1981年生まれ。滋賀県出身。上智大学大学院修了。2008年、読売新聞東京本社入社。長野支局、松本支局、社会部、文化部、金沢支局を経て、現在、文化部で歴史・論壇を担当。満蒙開拓や、ペリリュー・アンガウルの戦い、硫黄島の戦い、沖縄戦、特攻、シベリア抑留など戦争に関する取材に関わってきた。単著としては『辻政信の真実 失踪60年―伝説の作戦参謀の謎を追う』が初めての著書となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

108
優れた作戦を立案し、最前線で指揮を執り、死傷者を収容するため命を賭ける。辻政信が優秀な軍人なのは間違いないが同時に強烈な自信家でもあり、他者を巻き込む説得力の持ち主だった。役に立つ男だと上司も便利使いするうちに独断専行が重なるが、本人は組織のためと信じて疑わず、悪を行っているとは露ほども考えなかった。「戦争とは他の手段をもってする政治の継続」とすれば、戦争は勝てばいいとする日本陸軍の組織的欠陥が、かくも政治を無視した将校の暴走を容認した状況が見えてくる。だから辻は政治家としては何の業績も残せなかったのだ。2022/12/21

とくけんちょ

56
絶対悪とまで呼ばれた参謀。兵の命を顧みない悪魔的な作戦を実行し、終戦時潜行して、その後、意気揚々と政治家への転身。最後は失踪。とんでもない人間だ。だが、誰よりも高潔。だから、人は辻政信を無視しておくことができないのだろう。それに、高潔がゆえに面と向かって否定されない。憧れるが、絶対に真似してはいけないことはわかる。決定権を持たせてはダメな人の見本。2021/08/09

紙狸

19
2021年刊。著者は1981年生まれの全国紙記者。金沢支局勤務当時の連載記事がベース。現在の加賀温泉市今立区出身の陸軍参謀・辻政信の伝記。この本の特徴は、辻の生い立ち、そして戦後国会議員として活動した時期について、関係者(の家族)の証言、残された文書類を丹念に集めた点だ。参謀としての「活躍」「悪行」についての叙述には疑問が残る。エピソードをニュートラルに並べてよいのか。山本七平は『一下級将校の見た帝国陸軍』で、陸軍のダメな体質を象徴する人物として辻をとりあげている。こうした批判こそが教訓として生きる。2022/12/18

CTC

14
6月の小学館新書新刊。著者は読売新聞文化部記者。本書は著者が金沢支局に所属していた19年夏(辻の法的死亡宣告より50年)に同紙石川県版で連載したものを基にしている(ようだ、明言はない)。という事情を汲みつつとしても…まず大読売の文化部記者がこんな見識で仕事できている事を非常に危惧する。本書は一面的であり「本格評伝」は羊頭狗肉である。辻の孫である富士急行社長ら親族への阿りの書かな、といった所感である。しかし改めて人物としての辻に魅力的な面がある事は事実なのだ。だからこその“絶対悪”だって、わかんねえかな。。2021/06/10

古本虫がさまよう

8
陸軍幼年学校には補欠合格だったという「神話」があるそうだが、著者は当時の官報を調べて、官報に辻の名前があることを確認もしている。部下(下重龍雄)だった娘(下重暁子)さんも登場。辻が大学生だった彼女のために就職の世話をしようとしたりお金をくれたといった体験を吐露しているのが目にとまった。「女の子を助けてあげようと、目の前に困っているやつがいたら、何もしないではいられない人だったんだと思います」と好意的に語っている。少なくとも彼女にとっては、辻政信という人は「絶対悪」ではなく「絶対善」に近い人だったのだろう。2021/06/15

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