出版社内容情報
AIにはできない金融エリートの生き方とは
日本の金融機関は、リーマンショック後の世界的金融危機にも大きな影響は受けず、政府に守られて旧態依然としたビジネスを続けてきた。自分のお金を引き出すのに時間外とはいえなぜ高い手数料をとられるのか。窓口でなぜあんなに待たされ、しかも午後3時で終わってしまうのか……。そこで働く銀行員も、組織第一の仕事ぶりが目に余るのは多くの国民が実感するところだろう。
そこに現れたのが、フィンテックによる世界的な効率化の嵐だ。スリム化できていない日本の金融システムが欧米以上の衝撃を受けるのは必至だ。AIやロボットアドバイザーができるような仕事をしている銀行員の大失業時代が始まる。そして、そもそも金融の実態にそぐわなくなっていた銀行そのものも、フィンテックを契機に消え、あるいは姿を変えていく。
しかし、フィンテックが効率化だけを追究して普及したら、それは顧客不在の金融ビジネスになってしまう可能性があると著者は危惧する。顧客の利益を本当に考えた新しい金融のありかたを、フィンテックを契機に考えるべき時だ。そして、金融エリートが真のバンカーとして生き残る道もそこにあると著者は強調する。
【編集担当からのおすすめ情報】
今の銀行は歴史的使命を終えつつあり、数や規模が縮小していき、遠くない将来には消滅する、というのが著者の考えです。しかし、銀行が演じてきた社会的機能がなくなるわけではなく、形を変えて続いていくのです。タイプライターがなくなっても、その機能はパソコンとプリンターに受け継がれているように。
その時、銀行という組織そのものにすがりついていたら生き残るのは難しい。逆に、いま銀行内で浮いているくらい、自分の考えで行動し、顧客の利益を考えた仕事をしている人が生き残るのではないか、という著者の考えは、銀行に限らず、ビジネス一般にも参考になるのではないかと思います。
森本 紀行[モリモト ノリユキ]
著・文・その他
内容説明
日本の銀行はリーマンショック後の世界的金融危機にも大きな影響を受けず、マイナス金利が導入されれば、そのツケを預金者に押しつけた。だが、フィンテックによる効率化の嵐が襲来すれば、経営基盤が揺らぐのは必至だ。これまで高給を食んできた銀行員は失職し、やがて実態にそぐわなくなった銀行は潰れていく運命が待ち受ける。ぬるま湯に浸かった銀行員に未来はない。日本の金融界が激震に見舞われるのは時間の問題なのだ。
目次
第1章 フィンテックの本質を見誤るな(フィンテックの起源;4つの領域に注目する ほか)
第2章 日本の金融事情とフィンテック(金融に新たな価値を創造する;「業務の効率化」の先を目指す ほか)
第3章 生き残る銀行の戦略とは何か?(銀行は変化に対応してこなかった;「1円の神話」とブロックチェーン ほか)
第4章 淘汰される銀行員と勝ち残る銀行員(金融機関に携わる人は劇的に減らざるを得ない;どんな人が淘汰され、どんな人が生き残るのか? ほか)
第5章 フィンテックを使いこなす人、使われる人(フィンテックの持つ危険性;自分の信用情報を知っているか ほか)
著者等紹介
森本紀行[モリモトノリユキ]
1957年、北海道帯広市生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。三井生命で年金資産運用に携わった後、1990年、ワイアット(現ウイリス・タワーズワトソン)入社。企業年金基金等の機関投資家向け投資コンサルティング事業を日本で初めて立ち上げる。2002年、HCアセットマネジメントを設立し、世界中の投資機会を発掘して運用委託する新しい資産運用事業を始める。現在、同社代表取締役社長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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