小学館新書<br> ジブリアニメから学ぶ宮崎駿の平和論

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小学館新書
ジブリアニメから学ぶ宮崎駿の平和論

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  • サイズ 新書判/ページ数 219p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784098252237
  • NDC分類 778.77
  • Cコード C0295

出版社内容情報

「集団的自衛権時代」を宮崎作品で読み解く

『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』など宮崎アニメの底流には、戦争と平和に関する深い洞察があります。そこで宮崎作品を題材にして、宮崎氏の戦争と平和観、環境問題に対する問題意識をあぶり出し、実際に起きた戦争、紛争などと対比させて、戦争の悲惨さや戦うことの意味を浮き彫りにしました。
平和論を専門とする気鋭の学者が、作品の奥に秘められた宮崎監督の思いを読み解きながら、戦争と平和、集団的自衛権について解説しています。
主な内容は以下の通りです。
■第1章 『風の谷のナウシカ』
腐海はなぜ生まれたのか?/巨神兵、火の7日間、腐海が意味するもの/人間vs.自然
■第2章 『天空の城ラピュタ』
ラピュタはなぜ滅びたのか?/飛行石の謎/ムスカが語る「平和」
■第3章 『紅の豚』
ポルコの「不殺生主義」/戦争と平和、そしてマダム・ジーナの失われた恋
■第4章 『ハウルの動く城』
恋愛と戦争の足音/消極的「良心的兵役拒否」/戦火の恋
■第5章 『風立ちぬ』
なぜ零戦が美しい飛行機として描かれたのか?/宮崎監督の反戦平和主義/テーマソング『ひこうき雲』の暗示的意味

【編集担当からのおすすめ情報】
宮崎アニメを題材とした本は数々ありますが、「平和論」という視点でとらえられたものは、意外にもまだありませんでした。集団的自衛権について真剣に考えていかなければならない時代ですが、小難しい話はちょっと……という方も、これなら抵抗なく読めてしまうでしょう。

内容説明

日本を代表するアニメーション作家・宮崎駿氏が監督として手がけてきた作品から、『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『紅の豚』『ハウルの動く城』『風立ちぬ』という5本の長編に焦点を当て、それぞれ平和学的に分析。物語に隠された平和へのメッセージを紐解いていく。歴史学、地政学、法学、国際関係論、自然科学など広範にわたる知見を組み合わせながら「戦争と平和」について考察していく平和学。その視点は、宮崎作品をさらに深く楽しむための一助となると同時に、平和とは何か、集団的自衛権とは何かについて考えるきっかけを与えてくれる。

目次

第1章 『風の谷のナウシカ』―腐海は、なぜ生まれたのか?(人々を「青き清浄の地」へと導くカリスマ的ヒロイン;映画『風の谷のナウシカ』のあらすじ ほか)
第2章 『天空の城ラピュタ』―伝説の空中都市はなぜ滅びたのか?(何度観ても引き込まれる作品;『ガリバー旅行記』さながらの政治風刺 ほか)
第3章 『紅の豚』―主人公ポルコは、なぜ豚になったのか?(「三鷹の森ジブリ美術館」の「蚊取り線香」;“疲れきったビジネスマン”のための映画!? ほか)
第4章 『ハウルの動く城』―巨大な城が、なぜ動いているのか?(ジブリ作品ナンバーワンのイケメンキャラ;原作では「封印」された「戦争」 ほか)
第5章 『風立ちぬ』―なぜ零戦が「美しい飛行機」として描かれたのか?(宮崎監督、「最後の」長編アニメーション映画;「生きるのにつらい時代」を精一杯生き抜いた日本の青年 ほか)

著者等紹介

秋元大輔[アキモトダイスケ]
1980年、青森県生まれ。大学在学中から平和学や国際政治学に興味を持ち、研究に没頭。創価大学を卒業後オーストラリアに留学し、シドニー大学で修士号(平和学)、西シドニー大学で博士号(国際関係論)を取得。2012年より創価大学平和問題研究所助教。現在、ジブリアニメを題材にして「平和学入門」の講義を行っている。グローバルな視点で平和学、政治学を語れる気鋭の学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しょうじ@創作「熾火」執筆中。

12
【1回目】宮崎アニメを、平和学的にアレゴリー分析。こうした「身近」な題材から「平和」について考えるのも有効かもしれないが、「個人」的な問題を「歴史」の趨勢にまで拡大して解釈しているような気がした。それにしても、帯にあった「集団的自衛権がわかる」はないだろうよ。2015/06/30

mataasita

6
風立ちぬまでの映画に当時の世界情勢や宮崎駿の思想などを加味してストーリーや登場人物たちに別の役割を与えながら、平和や戦争について考察されている。映画は全くの架空ではなく、ある時代の国や人物をモデルにされているわけで改めて時代背景や情勢を解説されるだけでもなるほど、考えたらそうかもと頷けるところがたくさんあった。ハウルの動く城は当時から全く面白いとは思わなかったがこの登場人物たちをそれぞれアレゴリー分析したものはすごく得心がいくものでもう1回観たいと思った。もののけ姫の論考がないのだけが残念。2024−922024/08/26

ルイ

4
日本を代表するアニメーション作家・宮崎駿氏。彼が監督として手がけてきた作品から5本の長編に焦点を当て、それぞれを平和学的に分析。物語に隠された平和へのメッセージを紐解いていく。 私はジブリ作品が大好きで、自分が生まれる前の作品も何度も何度も見返しています。駿監督の『ハウル』以降の作品はよく分かからない部分も多かったけれど、この本を読んで理解出来たものもありました。全てこの本の通りだとは思わないけれど、著者の考える駿監督の平和へのメッセージに胸が熱くなりました。日本はずっと戦争をしない国であってほしいです。2014/11/08

Hizuru

3
筆者の指摘がどこまで的を射ているのか、本当に宮崎駿監督の意図に忠実なものであるかについては疑問が残るが、“平和学の視点”を垣間見るには有用だった。第5章 『風立ちぬ』についての解説・論考が良かったので、もっと詳細なものが読みたいと思った。2014/11/04

🐰

2
平和学の観点から駿アニメを読み解きます。ものっすごい素直に読み解きますので、言われんでも分かるよという箇所が8割方。ハウルと風立ちぬに関しては新しい発見もありました。国家視点の平和学の観点から読み解くという大前提を共有しときながらなんですが、僕はキャラクターの生き様はあくまで一個人の生き様にすぎないと思っていて、その行動に国家を当てはめて読み解くなら当てはめるだけのもっと明確な根拠が欲しいなと思いました。2018/08/02

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